WEAR_ロゴ tiktok_ロゴ

【特別企画・ズボラ飯編】vol.2「花のズボラ飯」原作者・久住昌之さんとフリーズドライ工場へ!

アマノフーズの名物社員、島村雅人。“フリーズドライの伝道師”としてこれまで全国の依頼主のもとへ「思い出の味」をフリーズドライしてお届けしてきましたが、今回は特別編!島村さんが憧れる人気グルメ漫画家・久住昌之さんと共にマンガ「花のズボラ飯」(原作・久住昌之/漫画・水沢悦子)メニューをフリーズドライし、「究極のズボラ飯」を作ることに!

 

 

▶フリーズドライ工場に潜入!

さて前回、「究極のズボラ飯」プロジェクトが始動しましたが、せっかくなので久住さんにもフリーズドライをとことん知ってもらおう!ということで、今回は久住さんと共にフリーズドライ製造現場へ見学に行くことに。

島村雅人と久住昌之

さっそく工場見学用の服装に着替えて出発!島村さんがまるでド、ドラえ…何かのキャラクターのようにも見えますが…。ここは触れないでおきましょう。

島村雅人と久住昌之

工場内部は衛生管理が徹底されており、なかなか入ることのできないエリアなのですが、特別に見学させてもらいました。

今回はお豆腐の味噌汁の工程ということで、豆腐、ほうれん草、椎茸が具材として入ります。

豆腐のおみそ汁の工程

こちらは味噌汁を調合する工程。ここで温度管理と味の確認をします。

 

島村さん:ちなみにこれは白味噌を使った商品ですね。

 

 

豆腐のおみそ汁の工程

具材と白味噌の汁をここで小分けパックに入れていきます。

島村雅人と久住昌之

普段なかなか見ることのできない大型機械やオートメーションに興味津々の久住さんとなぜかカメラ目線の島村さん。

 

久住さん:豆腐って凍らせると高野豆腐になるんじゃないんですか?

 

島村さん:通常はそうなのですが、今は冷凍技術が進んで豆腐の食感のまま戻すことができるようになったんです。

ちなみにこの工程、今はほとんどオートメーションになっていますけど、アマノフーズがお味噌汁を作り始めた頃、手作業でやっていたんですよ。今から34年くらい前かなあ。

 

久住さん:手作業は大変そうだ…。ちなみに、34年前って僕がデビューしたのもその頃です。

 

島村さん:えー本当に!? ほぼ同期なんですね〜僕ら♪

豆腐のおみそ汁の工程

小分けにされたお味噌汁はこの後、冷凍の工程に進みます。

島村雅人と久住昌之

この大きな扉の向こうには-30度以下の冷凍庫が!ここで一晩かけて冷凍させます。冷凍技術もアマノフーズならではのノウハウがたくさん詰まっているそうです。なので、内部は非公開!残念…!

島村雅人と久住昌之

冷凍されたお味噌汁は、今度はこちらの大きな謎の物体の中へ。

 

島村さん:これは真空凍結乾燥機。直径が2.5m、長さが24mあります。新幹線1車両分とほぼ同じ大きさです。

 

久住さん:えー!そんなに大きいんですね!

島村雅人と久住昌之

島村さん:凍らせたお味噌汁はここで乾燥させます。圧力を調整し真空状態を作ることで、水分を昇華させ乾燥させているんです。

まる8時間以上かけて水分を凍らせて、そこから約24時間かけて乾燥させます。商品の大きさにより時間は変わります。ここが一番時間のかかるところですね。

島村雅人と久住昌之

久住さん:これで一体、何食分できるんですか?

 

島村さん:お味噌汁でおよそ8万8000食作ることができます。昨年末に新しいフリーズドライ機を増設したことで、全体で年間約2億食作ることができるようになりました。

 

久住さん:ははは(笑)。そんなに!すごいですね。

 

島村さん:これは世界最大級のフリーズドライ設備ですね。アメリカの大規模なフリーズドライ会社でも、一度にこれだけ作れるのは他にはないと思いますよ。

島村雅人と久住昌之

乾燥が完了したら、乾燥の状態や品質チェックの工程に。

品質チェック

品質チェックなどが完了したフリーズドライはこちらで包装&梱包されます。

包装と梱包

先ほどのお味噌汁が小分けに包装されていきます。

島村雅人と久住昌之

久住さん:ひとつのフリーズドライができるまでにどれくらいの時間がかかるんですか?

 

島村さん:野菜などの下処理から、みそ汁の調理~冷凍、乾燥をして、更に品質検査や包装などを行うとだいたい1週間くらいですね。

 

久住さん:なるほど。これが出荷されていくんですね。いや〜おもしろかった!

島村雅人と久住昌之

島村さん:フリーズドライの魅力が伝われば光栄です!もともと欧米で開発されたフリーズドライ技術を食に応用したのがアマノフーズなんです。フリーズドライの技術はもう50年近くになりますが、第一次ブームがコーヒーのフリーズドライ、第二次ブームがカップ麺の具材、そして今のお味噌汁やいろいろな料理のフリーズドライが可能になって新たなブームが生まれつつあると、僕は思っているんですけどね(笑)

 

久住さん:フリーズドライのサードウェーブなんですね!これはおもしろい!

 

島村さん:フリーズドライの技術はかなり進化したので、あとは何をフリーズドライするかという発想やアイデアの部分が重要になってくるんですよね。

 

久住さん:なるほど〜。新商品開発にはアイデアも重要ですもんね。

 

島村さん:それを考えるのが僕の仕事なんです!フリーズドライ技術を使ってどんなものが作れるかを日夜考えているのです。ちょっといくつかおもしろいものを用意したので、ぜひ見て、食べてみてください!

 

 

▶島村さん渾身のフリーズドライを実食!

さっそく、島村さんの過去のフリーズドライ作品(!?)を食べてもらうことに。

 

久住さん:ん…!? このケーキが、もしかしてフリーズドライですか?

島村雅人と久住昌之

島村さん:もちろん!これもフリーズドライしたものです。ただ、これは水で戻すとベチャベチャになっちゃうので食べられないんですけどね。子どもが喜ぶのでイベントやおもしろアイテムとして見せるものですね。

 

久住さん:びっくりですね〜おもしろいわ〜!

でも、そうか。フリーズドライには何でもできるけど、戻すことが難しいんですね。

 

島村さん:そうなんですよ。これはステーキのフリーズドライなんですけど、食感を改善中で…。

久住昌之

久住さん:見た目ステーキっぽいけど…。でもちょっとこわいな…。

 

島村さん:どうですか?

 

久住さん:あ、肉だ(笑)。不思議だな…肉ですね。ステーキです。

 

島村さん:豚肉と牛肉で今試作していて…。脂身がうまく戻らなかったり、パサパサした食感が気になっていて、商品化はまだ難しいですね。商品化するにはやっぱり、食感や味がきちんと戻ることが大事なので、そこの調整が難しいんです。

久住昌之

 

久住さん:知らないことが多すぎて、もう驚きの連続です(笑)。ちなみに今まで作ったもので一番驚かれたものってなんですか?

 

島村さん:いろいろあるけど、やっぱりしじみの味噌汁は驚かれますね。殻付きなんですよ。

 

久住さん:えー!殻ごとフリーズドライしちゃうの!?

 

島村さん:殻が付いているほうが本物っぽいでしょう(笑)。でも、その分、砂が入っていたりすることもあって…。ご家庭で作るしじみの味噌汁に砂が入っていても問題ないけど、売っているものでそれはあってはいけないので。なので、何度もテストを繰り返して工夫してね。

 

久住さん:なるほど。そうですよね。まさか殻付きのしじみとは思わないからびっくりしますね。そして、その驚きの裏にはそんな苦労が…。

島村雅人と久住昌之

島村さん:そうですね。あ、あとこれは麺とフリーズドライの具材がセットになっている「皿うどん」です。お湯を用意するだけで、皿うどんが簡単に食べられるまさにズボラ飯!

 

久住さん:なるほど〜これもありそうでないですね。よく思いつきますね〜その商品のアイデア。

 

島村さん:そう!ありそうでないのがいいんですよ。皿うどんもうちのヒット商品のひとつです。やっぱり感動を与えるには着眼点がポイントになるんでしょうね。

他にもお湯さえあれば一人鍋ができる「一人鍋」もあります。いつでもどこでも温かいお鍋が食べられますよ!これは豚のロース肉が入っていて、それがおいしいと好評です。

島村雅人と久住昌之

久住さん:あ、昆布も入ってるんですね(笑)。今、僕の息子が海外にいるんですけど、こういうの喜ぶだろうな〜。海外の方のおみやげにもよさそうですよね。お味噌汁とか日本の味ですし。

 

島村さん:東京駅の近くのKITTEにアマノフーズのアンテナショップがあるんですが、最近は海外のお客さんも増えていますね。おみやげにはおすすめです!

 

久住さん:フリーズドライできないものってあるんですか?

 

島村さん:餅ですね。お湯をかけても戻らないので。だからお雑煮ができないんですよ。

あと油が多いものも難しいので、鯖の塩焼きもなかなか難しかったです。その他、お刺身や牡蠣なんかも挑戦してみてはいるんですけどね〜。

島村雅人と久住昌之

久住さん:お刺身!? 対局にありそうなものなのに(笑)!

 

島村さん:乾燥するまでがフリーズドライなので、フリーズドライすること自体は可能なんですが、やっぱり食べておいしいと思ってもらわなきゃいけないんでね。

 

久住さん:さすがだな〜。フリーズドライって本当におもしろいな〜。ところでズボラ飯の開発は順調ですか?

 

島村さん:あ…!ただいま、鋭意開発中です!ちょっとあたふたしてますが、楽しみにしていてください!

 

久住さん:ほほう!これは楽しみです!

 

いよいよ次回!ズボラ飯の試作品を食べていただくことに!あたふたしながらも開発中ということですが、果たして間に合うのでしょうか…!? それではまた、アマノ食堂でお会いしましょう。

 

■参考書籍

花のズボラ飯(1〜3巻)

著者: 久住昌之 (原作)/水沢悦子(漫画)

出版社:秋田書店

公式オンラインショップ
TOP
お箸
波背景波背景