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まごころ出前(火星めし編)を総まとめ!宇宙空間に届ける火星めしができるまで

島村雅人

アマノフーズの名物社員、島村雅人。これまで全国の依頼主のもとへ「思い出の味」をフリーズドライしてお届けしてきました。新たなミッションということで始動した「火星めし編」もついに完結ということで、今回は、極地建築家・村上祐資さんとフードユニット「つむぎや」の金子健一さんと一緒に開発した“火星めし” ができるまでを振り返ってみたいと思います。

 

今回のお題は火星にフリーズドライをお届け…!?

島村雅人

ことの始まりは “日本で最も火星に近い男”と呼び声が高まっている村上さんからの1本の電話からでした。

村上祐資

第50次日本南極地域観測隊の越冬隊員で、アメリカの “The Mars Society”が実施している模擬火星探査プログラム “ Mars Desert Reserch Station” のCrew144・隊員としても経験を持つ村上さん曰く、閉鎖空間で2週間過ごすという特殊な環境の中にいると、自分に与えられたミッションをどうしても優先してしまって、食事を後回しにしてしまうことがあるんだとか。

 

そこで、今回“The Mars Society”による、 アメリカ・ユタ州で行われる有人火星探査を想定した2週間の実験生活に向けて、プログラムに参加するクルー6名にお届けする食事のメニューを、島村さんのフリーズドライ技術で開発してほしいということになったのです。

 

強力な助っ人が加わり、名付けて“チーム火星めし”を結成!

島村雅人と村上祐資と金子健一

訓練期間を過ごす閉鎖環境では“時間内に自分に課せられたミッションをクリア”したり、“安全を確保する”だけでなく、彩りや盛りつけも含め“食を楽しむこと”も大切な要素。和食ベースのオリジナル料理を提案しているフードユニット「つむぎや」の金子健一さんにもご協力頂き、火星めし開発が実現しました。

 

“火星めし”メニューの試食会を行いました

火星めし

火星めしのメニューを決める試食会では、島村さんが事前にたくさんの試作品を用意してきました。テーブルに広げてみると、じゃがいも、鮭、納豆、酢の物、お好み焼き、野菜、薬味、塩辛、甘酒…。こ〜んなにたくさん!村上さん&金子さんに試食してもらいながら、現地で喜んでもらえるような“火星めし”のメニューを実現すべく、『春の要素である桜をメニューに取り入れる』『戻す前は収縮されてコンパクトだけど、お湯で戻すとボリュームが出るキャベツ』など…細かい部分まで工夫を凝らしたメニュー案がたくさん候補に挙がりました。

 

用意してきた試作品の中でも好評だったのは…!?

野菜炒め

素材そのものを活かして食べることができるので、しめじ、えのき、もやし、キャベツ、チンゲン菜など…豊富な食材を使って用意した“野菜”は島村さんの力作。現地で調理をすれば“野菜炒め”にもなり、手間をかけずに、素材の組み合わせによっては様々なアレンジを楽しむことができるので、宇宙空間にも、もってこいなのです♪

 

島村さんのイチオシは、宇宙空間で風味を楽しめる『薬味』

島村雅人

食材にかければ、色んなアレンジを楽しむことができる“薬味”。持ち込める食材に限りがある宇宙空間でも料理のスパイスとして欠かせない万能食材なんですよね。

村上祐資

「水で戻せば大根おろしにもなるし、風味が出るのでおすすめなんだよ〜!」と得意げに説明する島村さん。村上さん自身も生の大根をすり下ろして、何かにのせて食べると「食器に汁が残ってもったいないな〜」って思った経験があるんだそう。でも、この方法なら、使った大根をまるごと食べて栄養もしっかり体に吸収できるので、食材の魅力を最大限に活かすことができますね!

 

\火星めし編 vol.1のおさらい!/

【特別企画・火星めし編】vol.1/今回のお届けは…火星!?(前編) (2016.3.18 UP)

【特別企画・火星めし編】vol.1/今回のお届けは…火星!?(後編) (2016.3.21 UP)

 

島村さんの開発現場に潜入しちゃいました

薬味

村上さん&金子さんからも大好評だった薬味。島村さんが何度も試作を続けるほどこだわってきたものがこちらの食材!大根生姜です。

 

実際にフリーズドライにしてみると…

島村雅人

長芋は、「銀杏(いちょう)芋」、「捏(つくね)芋」とか種類も色々あるので、火星めしではどの種類を使用するのか悩んでしまったそう。そんな中で試作を重ねて、すり下ろしやすいベストな大きさに完成しました。さすが島村さん!

大根のフリーズドライ

最初の頃は中々戻らず形や切り方にもこだわったこともあり、少し苦戦してしまったという“大根”もご覧の通り!切り方は縦切り(写真・左)と輪切り(写真・右)の2パターンを試した結果、輪切りにすると収縮せずに、元の形を保ったまま再現することができました。

 

\火星めし編 vol.2のおさらい!/

【特別企画・火星めし編】vol.2/火星めし開発現場に潜入! (2016.4.14 UP)

 

完成した火星めしを参加クルーにお届け!

平木雅

模擬火星訓練プログラムに参加するクルーを代表して、現地の食事担当を任された大学2年生の平木雅くんに直接火星めしをお届けしました。

薬味

味もさらに種類豊富になり、長ネギ、大葉、三つ葉、菜の花など彩りのある食材もこんな増えました。

 

エコノミークラス&ファーストクラスそれぞれの食器を用意!

エコノミークラスとファーストクラスメニューの器

火星めしでは、形状や容量が決められた食器で出す合理性をメインに追求したエコノミクラス”と、厳しい制約のなかでも器の造作や盛りつけにもこだわったファストクラスのメニューを、それぞれ朝・夜の各1食、合計4食分を用意。エコノミークラス用の食器(写真・左)、ファーストクラス用の食器(写真・右)。特に、ファーストクラス用の器は、いずれ土に環るという環境に配慮して作られた「WASARA」の紙の器を使用しました。

 

気になる火星めしの仕上がりは?

 

●エコノミークラスの朝メニュー

エコノミークラスの朝メニュー

・メインは白かゆ&帆立の卵とじ(写真手前・左から)

・シーチキンベースのポテトサラダ、しじみのおみそ汁、グリーンスムージー(写真奥・左から)

 

●エコノミークラスの夜メニュー

エコノミークラスの夜メニュー

・メインは海鮮鍋、〆の雑炊としても使えるたまごスープ(写真手前・左から)

・揚げなすと青じそのにゅうめん、小松菜のゴマ和え、米麹と桜の甘酒(写真奥・右から)

 

●ファーストクラスの朝メニュー

ファーストクラスの朝メニュー

・メインは桜エビと筍の炊き込みご飯、とうふのおみそ汁、焼き鮭、玉子焼き、野沢菜漬け(写真手前・左から)

・切り干し大根、焼きなすとめかぶ、納豆、カルピス(写真奥・左から)

 

●ファーストクラスの夜メニュー

ファーストクラスの夜メニュー

・メインは海鮮皿うどん(写真奥・左)、たこ飯、桜えびときざみ菜の茶漬け、あさりのおみそ汁(写真手前・左から)

・塩辛、帆立の巾着&ふろふき大根(写真中央)、ごぼうともやし、溶き卵、海鮮皿うどんのあん(写真奥・右から)

・デザートにシュークリーム&フルーツ添え

 

島村雅人と村上祐資と金子健一と平木雅

6名分のメニューを箱に詰めてみると、段ボール丸々3箱分というボリュームに!

島村さん村上さん金子さんのお三方(名づけて“チーム火星めし”)の開発した火星めしに大喜びの平木くん。

(2週間火星めしを食べて頑張ってね!と平木くんを見送った一同…)

島村雅人と村上祐資と金子健一と平木雅

 

\火星めし編 vol.3のおさらい!/

【特別企画・火星めし編】vol.3/ついに…火星めしの全貌が明らかに!? (2016.4.27 UP)

 

〜平木くん帰国後〜

再びチーム火星めし&平木くんの4名が集結しました

島村雅人と村上祐資と金子健一と平木雅

無事に訓練を終えて帰国した平木くんに2週間の現地での様子について聞いてみました!

平木雅と参加クルー

参加クルーは全員で6名。性別、国籍はもちろん年齢もバラバラだったので、家族みたいな感じで僕が一番年下の弟というポジションでしたと語る平木くん。

 

閉鎖空間での食事の様子について教えてもらいました

平木雅

最初の5日間は現地で支給された食事。その後、今回開発した“火星めし”をみんなで食べたんだそう。決まったサイズや形の食器で小鉢をいくつかつけて作った“エコノミークラス”は6日目。器や盛りつけにこだわって御膳をイメージして作った“ファーストクラス”は11日目。

閉鎖環境実験での様子

平木くん:食卓にファーストクラスのような彩りや食感とかいろんなバリエーションのあるものが並ぶと外国人のクルー2名も喜んでくれて、実際の宇宙空間でもこういうお皿が使えるんじゃないかっていう会話にもつながりました。薬味も物足りない時に食材と一緒に食べて、そういうちょっとした変化が嬉しかったですね。

島村雅人

現地での反応&平木くんの感想を聞いて、ホッと一安心の島村さん。今まで数々のヒット商品を生み出してきた“フリーズドライの伝道師“と呼ばれる島村さんにとっても、宇宙空間での“食”をテーマとした商品開発はまったくの未知数であり、初めての挑戦だったのです。

 

無事に“火星めし”開発を終えた島村さんの感想は?

島村雅人と村上祐資と金子健一と平木雅

島村さん:食品じゃなくて、まずは食材を何とかしたいなって考えていて。次の世代に必要なものを作り出したいですね。移動に2年かかると言われているからしめる移中の食事着いてからの食事とか色んなパターンをフリーズドライ食品を通して考えていきたい。そして、火星や宇宙での暮らしのシーンを想定して作ること。そういうアイデアを考えることを火星めしを通して勉強させてもらったなって感じています。

 

\火星めし編 vol.4のおさらい!/

【特別企画・火星めし編】vol.4/ついに完結!果たして火星めしの仕上がりは? (2016.5.9 UP)
 
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というわけで、極地建築家として活動する村上祐資さんとフードユニット「つむぎや」の金子健一さんと一緒に開発してきた“火星めし編”ついに完結!何度も試作を繰り返しながら、完成した火星めし。こうして現地でも喜んでもらえて無事に大きなミッションをクリアできたわけなのです。しかし、まだまだ島村さんの挑戦は続きます。果たして、次回はどこへお届けに行くのでしょうか?それではまた「アマノ食堂」でお会いしましょう。
 
※本件の食材(フリーズドライ加工品)の海外への搬出については、日本火星協会の企画の枠組みにおける「個人による持込み」の形式をとっております。また、フルーツや野菜については、熱処理を施してあります。
 
\どんな注文もおまかせ!/

【まごころ出前の注文、大募集!】

アマノ食堂では、島村さんにまごころ出前してほしいという方を随時募集中!必要事項と理由を添えて contact@amanoshokudo.jpまでメールでご連絡ください。
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【必要事項】

・お名前
・年齢
・職業
・電話番号
・お届けしたいor届けてもらいたい人との関係性(母親、息子、娘、恋人…etc.)
・お届け先(例)岡山県→東京都
・依頼したい料理
(例)岡山県に住む母親がつくる豚汁、遠恋中の彼女がつくる肉じゃがなど
・その料理にまつわるエピソード

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