小倉ヒラクの「手前みそTIMES」

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【第10回】肌がキレイな貴方が好きです。トキメキ☆美肌味噌汁

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小倉ヒラク
発酵デザイナー
「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、東京農業大学の醸造学科研究生として発酵を学びつつ、全国各地の醸造家たちと商品開発や絵本・アニメの制作やワークショップをおこなっている。『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014受賞。自由大学や桜美林大学等の一般向け講座で、発酵学の講師も務めている。2015年より新作絵本『おうちでかんたんこうじづくり』とともに、「こうじづくり講座」を全国で展開中。

味噌汁、飲んでますか?

発酵デザイナーの小倉ヒラクです。

 

僕、サラリーマン時代はスキンケアの会社で働いておりました。日がな「美しい素肌」のことを考えながら仕事をしていたわけです。

 

で。発酵デザイナーとして活動するようになってみると、実は発酵とスキンケアは関係が深いということがわかってきました。素肌美人になるための秘訣は、身体を冷やさないこと、腸内環境を整えること、細胞の新陳代謝を促すこと。

 

これ…、全部味噌汁飲んだらいい案件やぞ!!

 

ということで、今回は「美肌になりたい妙齢女子」の読者の皆様にピッタリのレシピをお届けします。気になるアイツのデートをブッキングしたら速攻で飲んで備えてください。恋という、いわば”エゴとエゴのシーソーゲーム”に…!

 

 

美肌に近づく3つの条件

それでは今月の味噌汁レシピ、いってみよう!(今回は「しっとり美肌で、ほっぺた赤い」的なビジュアルを目指してみた)

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レシピ名:トキメキ☆美肌味噌汁

 

レシピ(2〜3杯ぶん)

味噌:米味噌(熟成浅めのもの):大さじ1.5〜2

ダシ:ダシ用乾燥昆布 水0.4Lに対して3g(中ぐらいの板1枚程度)

調味料:酒粕 15g〜20g程度

具材:ゴボウ小1本、人参1/2本、大根1/4〜1/6本、長ネギ適量

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パタンッ……!(←読んでいた本を閉じ、顔を上げる音)

「お若いの…、なかなか考えなさったな…」

「美しさを希求する女子たちの、本質を……捉えている!?」

 

そうなんすよ先輩。今回は「何となく美味しいから」という理由ではなく、機能優先で考えたレシピなんすよ(でもちゃんと美味しいです。念のため)。

 

さてそれでは、レシピの解説。

※以下に述べる効果はあくまで一般論に基づくものです。異論も色々ありますので、あくまで「ヒラク君の見解」としてお読み下さいませ。

 

◆根菜類で、身体を温める!

中医学の食養生の基礎知識として「土の下で育つ食べ物は身体を温める」とあります。寒さの厳しい秋冬の旬であるゴボウや人参をチョイスすることで、妙齢女子の大敵である冷えをブロックするぜ!

 

◆食物繊維&発酵で、腸を整える!

今回チョイスした具材に含まれる食物繊維は、腸の消化作用を促してくれます。そして大根のピリッとした辛味には腸内の有害菌をブロックする力があり、酒粕と味噌には有用菌を活性化させる酵素がたくさん含まれています。この味噌汁を飲めば腸が整い、サッカー日本代表の長谷部選手のようなイケメンとステディな関係になれば、心も整います。

 

◆発酵の力が、肌細胞の代謝力を引き出す!

今回調味料としてチョイスする酒粕。日本酒を搾るとき時に出るものなのですが、「粕」と呼ぶにはもったいない美肌成分が詰まっているのだな。メラニン生成を抑制する脂肪酸や、肌荒れを防ぐビタミンB類が豊富に含まれています。さらに味噌には細胞のターンオーバーを強力に促進する力が実証されています。

 

以上3つの要素の組み合わせにより、この味噌汁はほぼ「食べるスキンケア」と言っても過言ではない!

 

 

それでは、実際につくってみましょう。

今回のレシピの難易度は、星2つぐらいかな(第6回が星3つぐらい)。

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スキンがコーナーをカーブし始めた妙齢女子を救いにきた「美肌三兄弟」。長男の大根は拍子木切り、次男の人参は半月切り、三男のゴボウは斜めに薄切りして火が通りやすい&食べやすいかたちに整えます。

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第8回と同様に、昆布をコトコト10〜15分程度煮込んでダシを取る。

 

【ポイント】
絶対に沸騰させないこと!焦げた味と臭いが出てきてしまいます。

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昆布を引き上げたら、具材を入れさらに中火で10分程度煮込んでいきます。

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アクが浮かんできたらおたまですくいます。

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具材が煮えてきたら、弱火に火を落として酒粕を入れ、よく溶かす。

 

【ポイント】
「隠し味」というよりは、メインの調味料だと思って思い切って多めに入れます。

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最後に火を止め、味噌を溶き入れ、刻んだ長ネギをトッピングして完成。

 

【ポイント】
味噌は色の濃い赤味噌ではなく、写真のような熟成浅めのものを使うと、酒粕のテクスチャーが目立って見目麗しい仕上がりに。

 

 

素肌美人への道は、美味しく楽しく

はいお疲れ様でした。ではさっそく飲んでみてください。

 

(ズズッ…)

 

「わっ、普段のお味噌汁とは違う奥行きが出てる。しかも飲むそばから身体が温まるような…。この味を表現するとしたら……『有り難い』かしら?」

 

わかる。仏の慈悲を感じますよね。臓腑も肌も、そして心持ちも清く浄化されていくような味わいです。僕、日本全国たくさんの酒蔵に遊びに行きますが、蔵の女将さんたちみんな肌がツルツルかつモチモチかつピカピカなんですよね。その理由は、酒造りで大量に出る酒粕を日々の献立に活かしているのが大きいのだと思われます。

 

ワインとイタリアンで女子会も楽しいですが、冬にコタツをかこんで日本酒の熱燗をクイッと、締めに酒粕のお味噌汁なんてのも情緒があっていいんじゃないでしょうかね。

 

美味しく楽しく食卓を囲んで、素肌美人にもなれる…。

発酵の力って、本当に偉大ですなあ。

 

それでは次回「ハードル低すぎて震える。手前味噌入門レシピ」でお会いしましょう。発酵デザイナーの小倉ヒラクでした。