ごぼう ごぼう

収穫量全国No.1!冬の青森から食卓へ、おいしい「ごぼう」が届くまで

立花肇さん
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立花肇さん
青森県三沢市で家族・親戚とともに30年以上ごぼうを作り続けているごぼうのプロ。年間のごぼう出荷量はなんと37トン。ごぼうのほか、長芋やにんじん、にんにくなどの根菜類を生産している。

年中おいしく食べられる食卓の定番野菜「ごぼう」ですが、どのように作られているか、皆さんはご存知ですか?スーパーに並んでいるごぼうを見ているだけではわからないごぼうのアレコレを知るために、今回はごぼうの生産量全国No.1を誇る青森県へ!ごはんの時間がさらに楽しくなる、“ごぼうができるまで”をごぼうのプロに聞いてきました!

 

「おらほのごぼうは日本一」三沢でごぼうを作り続けて30年

今回お話を伺がったのは、青森県三沢市にある農家・立花肇さんのごぼう畑。三沢はとっても寒い地域。ごぼうは寒くなればなるほどおいしくなるそうなので、まさにここはごぼう栽培にうってつけの土地なんです。道路沿いには「おらほのごぼうは日本一!」という看板も。「おらほ」とは青森の方言で「私たち」という意味。そんな“日本一”のごぼうはどうやってつくられているのでしょうか?

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こちらが、立花さんの広大なごぼう畑のひとつ。畑の長さは160mで、広さは8,000平方メートルを誇ります。三沢は寒さだけでなく、火山灰を含んだやわらかい土壌が1mの深さで分布し、石の量が少ないことが、ごぼうがすくすくとまっすぐに育つ秘密なのだとか。

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畑に足を運ぶと、青い空に飛行機雲が浮かぶなか立花さんたちが収穫を行っていました。なんとも絵になる光景!

 

この地域でのごぼう収穫シーズンは9~12月。収穫されたごぼうの大半はごぼう専用の冷蔵庫で保管され、一年を通して少しずつ出荷されるそうです。

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ちなみに収穫が始まる9月ころは、フキに似たごぼうの葉っぱが畑一面を覆っているんですって。こんな広い畑が緑一色になるなんて、きっとすごくキレイですね。

 

立花肇さん

 

立花さんはこの土地で30年も前からごぼうを栽培しているそうですが、当時の三沢はまだごぼうの名産地ではなかったとか。では、いつから三沢のごぼうが有名に?「15年ほど前、姉の旦那さんが作ったごぼうがテレビで放映されてそれから有名になったんだ」と立花さん。最近ではごぼう農家が増えただけでなく、ごぼうを使ったお茶やアイスクリームが開発されたり、メディアで紹介されたりとすっかり“ごぼうの町”というイメージが定着しました。

 

 

白くてとっても柔らかい、あく抜き知らずのブランドごぼう「柳川理想」

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三沢で栽培されているごぼうは、「柳川理想」という品種です。このあたりの土壌は、火山灰で出来ている黒ボク土。柔らかく石などが混ざっていないため根菜類の栽培には最適なんです。そのため、ごぼうが真っすぐ長く育つとも言われています。上の写真は土から掘り起こされたばかりのごぼうですが、土の間から見え隠れするごぼうの表面が一般的なものより白いのがわかりますか?

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あく抜きもほとんどいらない白さと柔らかさで、漬け物にすればフルーティーな味わい、かるく湯に通すと、パリパリの歯ごたえを楽しめます。厳しい寒さの中でじっくり育っているからこそ、一般のごぼうよりもぐっと香り高くなるのだとか。

 

 

ごぼうが収穫されてからその後は?ごぼうが食卓に届くまで。

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葉を狩り、根の部分を収穫し、葉と根の境目を切り選別するというのがごぼう収穫の一連の流れ。

 

まずは収穫時。トラクターに「ごぼう収穫専用の機械」を取り付けて収穫していきます。機械が周囲の土と一緒にごぼうをつかみ土に圧力をかけることで、ごぼうが上にせり上がってくる仕組み。土深くに埋まっているごぼうを傷つけずに収穫できるのはこの機械のおかげなんですね。それにしても、ごぼうを収穫するためだけに作られた機械があるなんて驚き!

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機械で収穫された後は、人の手によって回収します。サイズの細いものは選別され、ある程度の長さや太さのあるごぼうだけが出荷用のコンテナの中へ。

aomorigobou_11< どんどん機械化される農作業ですが、なかには機械化できない作業も。ごぼうの選別もそのひとつ。目で見て直に触れ、1本1本ていねいに選別しています。 aomorigobou_12

コンテナに詰められたごぼうは、農協の選果場で大きさ別に分けられ、全国に出荷されます。ちなみにごぼうが土つきで出荷される理由は、洗うと急激に鮮度が落ちるためなのだとか。土つきでスーパーに並んでいるのには、こんな理由があったんですね!

 

 

天候に悩まされること数知れず。目指すは、とにかく“おいしいもの”を作ること

 

ごぼうの他にも、長芋やにんじん、にんにくの栽培も行っている立花さん。最後に、「立花さんがめざす野菜づくりとは」をお聞きしました。

立花肇さん

「どんな野菜もそうだけど、上手に育てばうれしい。農作物は常に自然の脅威と隣り合わせです。でもそれに負けず、種を撒き直したり良い土をつくったりして、とにかく“おいしいものを作る”。これまでもこれからも、目指すことはそれに尽きますね」

 

実際に畑を歩いてみて思ったのは、土の上での作業は想像以上に体力を使うということ。当たり前のようにおいしい野菜が食べられる毎日に、改めて感謝する1日でした。

立花ご夫婦と農家の皆さん

立花さんご夫妻とご親戚のみなさん。人の手によってつくられるものには人の心が反映されるといいますが、きっと皆さんの心がおいしいごぼうを生み出しているのでしょうね。

 

 

ごぼうの産地で食べられている農家の「まかない飯」とは?

 

収穫の様子を取材したあとは、三沢の野菜出荷の中核を担っている「JAおいらせ」へ。すると職員の皆さんが三沢でよく食べられているごぼうのオススメ料理を用意して待っていてくれました!

 

JAおいらせの皆さん

今回ご協力頂いた「JAおいらせ」職員の皆さん。温かく出迎えてくれました。

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目の前に現れたのは…ごぼう料理のフルコース!ごぼうと合い挽き肉の混ぜごはん(右下)、ごぼうたっぷりの長いもダンゴ汁~ごぼう出汁仕立て~(右上)、きんぴらそぼろ煮(左下)、甘酢漬け(左上)。ごぼうによくマッチする少し甘めの味付けが食欲をそそります。ちなみに、ここ三沢では、さまざまな料理に「ごぼうのだし」を使うそう。職員の皆さん曰く「ごぼうのだしが入っていないと、全然味が物足りない」のだとか。その土地に住む人々の知恵が詰まったお料理の数々に目からウロコ!

 

そろそろごぼうの収穫時期が終わる11月。これから店頭に並ぶごぼうはまさに旬!今しか味わえない採れたての味をぜひ味わってくださいね。

 

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企画協力/JAおいらせ