はあちゅうさん×大槻篤さん|恋をクロージングさせる「大人の恋めし」

はあちゅうさんと大槻篤さん
  • はあちゅうさん
    はあちゅう
    ブロガー、作家。大学在学中に女子大生カリスマブロガーとして活躍し、2009 年電通入社後、コピーライター職を経て、2011年12月にトレンダーズへ転職。美容サービス、動画サービスに関わり2014年9月からフリーで活動中。日テレ「スッキリ!!」火曜レギュラーコメンテーター。最新刊「半径5メートルの野望」が好評発売中。
  • 大槻篤さん
    大槻篤
    「LEON」「GQ japan」などの編集部に在籍した後、2013年より、東京の今を提案するライフスタイル情報誌『東京カレンダー』の編集長を務める。食はもちろんファッション、腕時計、建築などに造詣が深く趣味は長年続けているサーフィン。

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東京下町のとある街角にひっそりと佇むアマノ食堂。この店に訪れるお客さんたちの“おいしいお話”を毎週お届けしていきます。第1回のテーマは「恋めし」。食は重要な恋愛ツールのひとつ。

気になる異性を食事に誘ったり、好きな人に手料理を振るまったり、恋愛においては相手の心と胃袋を掴むことが重要なキーに。今回は、恋を生むお店選びや食事デートにまつわるお話です。

ゲストは、人気ブログ「はあちゅう主義。」でお馴染みの作家・ブロガーはあちゅうさんと、美食家がこよなく愛する雑誌『東京カレンダー』編集長の大槻篤さん。一流レストランからガード下系まで、さまざまな名店を知る2人が考える究極の恋めしとは?

はあちゅうと大槻篤

「今はサーベルでシャンパンが正解!

みたいな時代じゃない」

(大槻篤さん)

はあちゅうさん大槻さんは、女性と食事デートをする時はどういう場所に行かれますか? 色んな名店を知る大槻さんが選ぶ店ってすごく気になります。

大槻篤さん実は僕、今まで携わってきた雑誌ではファッションを担当することが多かったんですよ。あとは時計や車、建築とか…だから食は専門領域じゃなかったんです。でも当時からずっと興味はあって、『東京カレンダー』に入ってからようやく両足を踏み入れた感じです。今思うと『LEON』に在籍していた頃は、ファッションも食事も振る舞いも、当時の僕からしてみると身分不相応なことを提案していた気がしますね。

はあちゅうさんちなみに『LEON』時代は、どんな食事デートを提案していたんですか?

大槻篤さん高級シャンパンを豪快にサーベルで!みたいな。もうすごいバブリーなの。服選びもレストラン選びもちょいワル男性のすべての基準は“おネエちゃんにモテること”だったから、世の中の流れがそうだったのかもしれないけど。でも、リーマンショックあたりから流れが劇的に変わりましたね。今はもうサーベルでシャンパンあけるのがカッコいい!みたいな時代じゃない。
僕自身は、昔は自分と価値観が近い女性を誘ってお気に入りの店に連れていく、みたいな感じだったかな。だけど断られることもあったし、全部が成功だったとは思わない。頑張りすぎて恥ずかしい思いをしたこともあったし。何か、頑張っちゃうのって恥ずかしいじゃないですか。

はあちゅうさんえ〜私はお店選びに努力が見える人、好きですよ。私普段から「食べることが好き」って公言しているので、食事に誘ってくれた人がお店を選ぶ時に「このジャンルだったらこの店で、このジャンルだったらこっちの店がいいと思うんだけど…」って聞いてくれたりするんです。そうやって色々考えてくれるのはすごく嬉しい。「私のためにそんなに考えてくれたんだ!」って。

大槻篤さんなるほど。僕は女性に「あぁ、この人頑張ってるな」って思われるのは、やっぱりちょっと恥ずかしさを感じてしまう性分で…。等身大の自分より二段飛び三段跳びくらい背伸びしちゃっている時って、何せ余裕がないじゃないですか。例えば初めて行く店だとトイレの場所もわからないし、どんなお酒が揃っているかもわからなくてハラハラしちゃう。気になる相手ならなおさら、そういう部分をあまり見せたくないなって思うんですよね〜。

 

「一緒にハラハラ感を味わうことで、

恋に発展することも…」

(はあちゅうさん)

はあちゅうさん確かにその気持ちもわかります。でも、そもそも男性が思っているほど女性は「スマートにエスコートされたい」と思っていないと思いますよ。行きつけのお店に連れていってくれるのも嬉しいけど、その人が「行ってみたい」と思う初めての店に連れていってくれるのも私は嬉しいですけどね。

大槻篤さんほぉ。「この人、頼りないな」とか思わないの?

はあちゅうさんあまり思わないですね。恋愛心理学で有名な“吊り橋効果”ってあるじゃないですか? あれ、レストランや飲食店でもあると思うんですよね。つまり、同じ空間で一緒にドキドキ感を味わうと恋が始まりやすいっていう。行きつけの店で自分はリラックスできていても、相手が緊張してドキドキしていると何だかアンバランスな気がします。女性ってお店よりも意外と“体験”を重視しているんですよ。一部のバブリーな女性を除いて、ですけど(笑)。

大槻篤さん確かにそういう人は例外かも。特にバブリーな時代を経験した人なら「男性は女性をエスコートするべき」っていうのは体に染み付いているだろうし。

はあちゅうさん最近、外食格差が激しいと感じています。食べ慣れている人と、食べ慣れていない人の差がすごい。焼き肉のタンにはレモンって知らない子や、運ばれてきた肉を切れない子もざらにいます。例えばそういう子が、いきなりデートでナイフやフォークがたくさんあるフレンチ料理店とかに連れていかれたら、もう食事を楽しむどころじゃなくなっちゃうんじゃないかなって。だから、ただ高級なお店に連れていけばOKという感じではない気がしますね。

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「どれほど名店を知っているか。

それが“食のマウンティング女子”」

(大槻篤さん)

大槻篤さんまぁ僕はそういう子を見ると、逆に鍛え上げたくなっちゃうけどね(笑)。逆に、変に詳しすぎるほうがちょっと扱いにくい場合もあるし。「どれだけ一流店やいい店を知っているか」を競い合う“食のマウンティング女子”っているんですよ。その店を知っていること、行ったことがあるということがステイタス、みたいな人。

はあちゅうさんいますね! 一流店=シャネルやエルメスのバッグという感覚なんでしょうね。

大槻篤さんそうそう。例えば1人の子が「こないだ◯◯に連れていってもらってさ〜」って言ったら、それを聞いている友達は心中で「私、まだその店行ったことない…」って何か負けたような気分になっちゃう。不思議だけど、そういう食のマウンティングで自分のポジショニングを上げたがる人は実際に結構いるんだよね。

はあちゅうさんわかります。そういう人とは私、友達になれそうにないな…。でも狭い世界での共通言語としてレストランの名前が出てくるのはわかるかも。

大槻篤さん食のマウンティングをする人って、料理じゃ全然なびかないわけですよ。どんなに飯がうまい店に連れていったとしても、結局はその店や場所がステイタスになるかどうかだから。うまい料理はたくさんあるのに、ちょっともったいない気がするけどな。

はあちゅうと大槻篤

「相手のことを知りたいなら、

まず相手の食体験を知ること」

(はあちゅうさん)

大槻篤さんはあちゅうさんは店のブランドネームではなびかないように思いますけど、実際どうです?

はあちゅうさんそうですね。どんな価格帯でもどんなジャンルでも楽しめちゃいますね。恋人とお互いに「ここ行きたいね」って思う店があったらLINEノートにメモして共有したりしています。あと、色んなジャンルの私的No.1を出し合う“食対戦”をしたり。

大槻篤さん…食対戦(笑)?

はあちゅうさん例えばブランチなら、私の最強カード「マーサーブランチのフレンチトースト」を出すんですよ。で、向こうがカード持ってなかったら私の勝ち!みたいな(笑)。その人が好きな店や味など、相手の食体験を知ることは、相手のことを知るうえでとっても大事だなと思います。

はあちゅうと大槻篤

「自分のお気に入りを明かすのは、

例えるなら下着を見られるのと同じくらい気恥ずかしい」

(大槻篤さん)

はあちゅうさん大槻さんは「勝負レストラン」ってあるんですか? 今日ここで決めるぞ!みたいな。

大槻篤さん昔はあったけど今は特にないかも。多分、なかなか予約がとれないようなお店にするかな。と言っても個人的にはカジュアルな雰囲気が好きだから、肩肘張らないような店にするけど。でも、人によって変えたいし変えるべきかなと思いますね。「なぜその人をそこに連れていきたいのか?」が言えるお店選びは意識していますね。「この人にこの日本酒を飲ませてあげたい」とか。

はあちゅうさんそういうの、いいですね!「これ食べさせてあげたい」って思ってくれるのは嬉しい。

大槻篤さんでも自分のお気に入りの店や料理を紹介するって、例えるなら自分の下着を見られるくらい恥ずかしいことだと思うんですよ。「俺はこういうのが好きだ」って相手に教えるってことでしょ。「自分の一番お気に入りはコレだ!」って言って、もしそれを否定されたら縁がなかったなって諦めるしかないけど、まぁちょっと勇気いりますよ。もし僕が独身だったらそう思う。はあちゅうさんは最近デートしてます?

はあちゅうさん恋人がいない時だったら気になる人とデートはしますよ。でも元々、仕事関係や友達との食事のほうが多いので、恋人がいる時もそんなに食事デートはしないかも。

大槻篤さん特に興味のない男の人から食事に誘われたら?

はあちゅうさんそれはないですね。私の場合、2人きりで飲みに行くっていうのは“最終決断の一歩手前”であることが多いんですよ。もうクロージング直前。

大槻篤さんクロージング(笑)

はあちゅうさん恋愛感情じゃなくても、この人のことをもっと知りたいなとか、もしかしたら恋に発展する可能性があるかもと思ったら行きます。男性として気になるという以外に、人として気になるという場合も行きます。

大槻篤さんめちゃくちゃ猛プッシュされても行かないの?

はあちゅうさん絶対行きません。だって時間がムダだから。それに変に期待させてしまうと申し訳ないですし。ハンパな気持ちでごはんにはいかないです。男性にもそれくらいの気概を持ってもらえたら嬉しいなと思いますけど。

大槻篤さん向こうもそれぐらいの気概で2軒目、3軒目まで考えていたら、それはもうクロージングということか(笑)。

なんてんcafe

「食事中は携帯をオフにしてくれる、その配慮が嬉しい」

(はあちゅうさん)

はあちゅうさん女性の振る舞いで、大槻さん的に「これはちょっと…」というNGマナーなどありますか?

大槻篤さん昔、連れていったお店でその女の子に「ここ来たことある」「前に来た時は〜」って前の彼氏の話を延々とされた時は「うわ…」って思いましたね。わざわざ言う必要ないのに。

はあちゅうさん来たことがあったとしても、前の彼氏の話まではしないでほしいですね(笑)。

大槻篤さんあとは場違いなファッションとか。これも昔実際にあったんですけど、相手の方がトレンチコートにボルサリーノみたいなハットを被ってしゃなりしゃなりとこう、女優のような感じで現れたんですよ。タイ料理屋に。ハットを置くところはどこかしら?みたいな…辛かったな。

はあちゅうさんドレスコード=ただ正装すればいいというわけじゃなくて、逆も然りですよね。ハワイでレストランに食事に行った時、周りのみんなはサンダルとかで結構ラフだったのに、私の相手はバシッと正装で来ちゃったことがあって。別に、それくらいで嫌だとは思わないけど、相手がそれを気にして楽しめなかったら申し訳ないから、雰囲気をネットとかで先に調べたらよかったなーって思って。

大槻篤さんわかる。そのパターンのほうが逆に恥ずかしいんだよね。普通の場所で派手に着飾るのはちょっと。そのあたりの空気感は読んでほしいね、大人なら。

はあちゅうと大槻篤

はあちゅうさんあと昔の話ですけど、当時の彼が初めてスーツを着るような仕事に就いて、仕事帰りに待ち合わせしたんですよ。そしたらすごい自慢げに首から会社のIDパスつけてて。彼、それがカッコいいと思っていたんですよね。弁護士バッジと同じ感覚だったんだと思います、スーツ着て働いてる俺カッコいいみたいな。でも、普通はID外しますよね…。

大槻篤さんそんな人いるの!?(笑)。服もそうだけど、僕は個人的に香水をじゃんじゃかつける人は好ましくないね。特に食事のシーンでは控えてほしい。繊細な寿司の味とかよくわからなくなっちゃうし、周囲のお客さんにも迷惑がかかるから。

はあちゅうさんそれは女性がやってしまいがちな失敗ですね。逆に「あ、いいな」って思うのは、食事中は携帯をオフにしてくれる人。たまにSNSのグループメールとかで延々とブルブル鳴っている人がいるじゃないですか。あれは全然会話に集中できないから、せめて通知オフにしてほしいなって。2人で食事している時くらいはちゃんと会話したい。

はあちゅうさん「これ気になるけど食べ切れる自信ないな…」「でも、もうここ来れないかもしれないし、どうしよう」って迷っている時に「残してもいいから頼みなよ!」って言ってくれる人もいいですね。あと、食後のデザートを聞いてくれたりとか。お酒を飲むとデザートいらないと思われがちですけど、なんだかんだ、デザート食べたいんですよ。食事の席やお見送りに関して基本のたしなみができている人も好感が持てますね。

大槻篤さん僕、お店の人と話す機会が多いんですけど、最近少し勘違いしている人が多くなってるみたい。「金はあるからいいものジャンジャン持ってこい」みたいな態度の人や、自分のことしか見えていなくて、他のお客さんのことを全く考えない人。

はあちゅうさんそういうのはよくないですよね。聖地的なお店のパスポートを持っている人は「おっ」と思いますけど、それをひけらかしたり、権力を振りかざすのは好感持てないな。

 

 

– さて、「食吊り橋効果」「マウンティング」「クロージング」など気になるキーワードが色々と出てきましたが…このへんでそろそろ〆のお時間。結局、恋愛に効く食事=「恋めし」の極意って何なのでしょうか?line02

「極論を言うとハズレの店なんてない。結局、自分次第」

(大槻篤さん)

大槻篤さんまぁ極論を言ってしまうと、ハズレの店ってほぼないんですよね。「店選びを失敗した」とか言う人いますけど、それは単にその人の実力不足ってだけ。大事なのは結局 “気遣い”。服装だって店での振る舞いだって、相手のことを気遣うからこそやることでしょ。相手の笑顔を引き出すために、自分が努力するかどうかじゃないかな。いい店に連れていったからといって必ずしも付き合えるわけじゃない。結局は自分次第だから。

はあちゅうさん例えばお店の料理がおいしくないとか、予約がうっかり取れてなかったとか、そういう時にこそ人間力って見えますよね。

はあちゅうさんリカバリー力がある人は、そんなピンチもチャンスに変えて結果的にちゃんと相手を楽しませることができる。印象に残るデートになれば、恋愛に発展する可能性も増しますよね。

 

「カッコいいのは、誘い文句でワクワクさせてくれる人」

(はあちゅうさん)

はあちゅうさん私の恋めしの極意は、ありのままの自分でお互いが楽しめる場所を選ぶこと。一流レストランや名店と呼ばれるお店に連れて行って、自分は満足するかもしれないけど、向こうは居心地が悪いかもしれない。あまり舞台装置に凝りすぎないのがいいんじゃないでしょうか。あと、相手の印象に残すためにはその店が一言で説明できるかどうかも大事。100年の歴史を刻む町家カフェとか、トマトを使ったちょっと珍しいすき焼きがある店とか。小洒落た創作料理屋さんって一品一品は美しいんですけど、振り返ってみると意外と印象に残らないことが多い。印象的な何かがあったほうが、デートも印象深いものになるはず。

大槻篤さんあと、誘い文句も大事ですね。まずそこがファーストステップなわけだし。

はあちゅうさん誘い方でワクワクさせてくれるような人はカッコいい!例えば「すき焼き食べに行こうよ」じゃなくて、「すき焼きにトマトを入れて食べる店があるんだけど行かない?」って言われたほうが「えっ何それ!?」ってワクワクする。誘い文句で気分を高めてくれる人って、それ以外の時間もきっと一緒にいて楽しいと思うんですよね。「予約4カ月待ちなんだけど、たまたまとれたから行こうよ」とか。そういうのでもいいと思う。

大槻篤さん「網で採った鴨って食べたことある?」とかね。

はあちゅうさんえ? 網で採った鴨って何ですか?

大槻篤さん網で鴨を捕獲する手法なんだけど、鴨の体を傷つけないからすごく希少価値があるんですよ。元々は金沢でしか食べられなかったんだけど、今都内でも食べられる店が数店あって…。あ、なるほど。こういうことですね(笑)。誘い文句の枕詞にフックがあると誘われる側も楽しいし、会話も弾みやすいよね。

 

ー本日のお食事の〆は、素朴な風味がほっとするアマノフーズの人気商品「まごころ一杯 なす汁」。

はあちゅう

ーまたのご来店をお待ちしております!

line02企画協力/鯰組なんてんcafe

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