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壇蜜さん×塚越友子さん|人見知り必見!マニュアル本には載らない、初対面コミュニケーション術

壇蜜と塚越友子
  • 壇蜜
    壇蜜
    1980年、秋田県生まれ。タレント。セクシーな容姿と知的なコメントのギャップでマルチに活躍、芸能界において唯一無二の存在に。近年は作家としても注目が高く、上品かつ繊細な文体にファンも多い。著書に『どうしよう』(マガジンハウス)、『はじしらず』(朝日新聞出版)、『壇蜜日記』『壇蜜日記2』(文藝春秋)など。
  • 塚越友子
    塚越友子
    1973年、スイス生まれ。心理カウンセラー。東京中央カウンセリング代表。男女問わず人間関係の悩みを改善するカウンセリングに定評があり。著書に『銀座NO.1ホステスの心をつかむ話し方』(だいわ文庫)、『銀座NO.1ホステスの上品な好かれ方
    』(だいわ文庫)、『モテる男の即効フレーズ』(講談社α文庫)などがある。『ナカイの窓』(日本テレビ系)などテレビでも活躍中。
壇蜜塚越友子

 

アマノ食堂に訪れるお客さんの“おいしいお話”をお届けする「今週のお客さん」。今回の対談テーマは、人付き合いの基本ともいうべき「気配り」について。

ゲストは妖艶な美しさはもちろん、細やかな気遣いで出会う人すべてを虜にする壇蜜さんと、人気心理カウンセラーとして多くの悩める人々の心を癒している塚越友子さん。コミュニケーションの達人ともいうべきお2人に学ぶ、気配りのコツは必見!

 

ー たくさんの人に会うお仕事をされているお2人ですが、普段人と話したりコミュニケーションをとったりする際に「心掛けていること」はありますか?

壇蜜と塚越友子

芸能界のお仕事をする前と今とでは、心を配るポイントが変わってきたと思います。昔はできるだけ話すようにとか、あまり物怖じしないようにというぐらいしか心掛けてはいなかったんですが、今はそれだけだと勘違いされることがありますし。

勘違い、と言いますと?

私、実は人付き合いが上手いタイプでは全然なくて。でも、周りからはそういうことができる人だと誤解されてしまうんです。本当は交流を広げて繋げていくことが苦手なんですよね。

私も人見知りだったのでわかります。できるだけ話そうと実は頑張っているのに、根っからの社交的な性格だと思われちゃうんですよね。

そうなんです。だから正直、しんどいところもありますね。最初の頃は、「銀座の世界で働いていたのだから、人の気持ちを掴むなんてお手の物でしょ?」って思われることも多くて。でも全然!「それなら今ごろ教祖にでもなってるわ!」って思っていました(笑)。

私も銀座のホステスとして働いていたことがあるので、すごく共感します(笑)。

世間から0か100の極端なイメージで見られることが多い業界ですから、少しでもイメージと違うと、裏切られたと思われることがあるんですよね。なので、最初からできるだけ「あの人、人間に向いてないな」という印象を与えるようにしています。

あはは!でもそれはいい方法だと思います。「変わった人だ」「普通じゃない」と思われれば、攻撃されなくなるんですね。

そうそう、「近寄らんとこ」みたいな。そういうのが大事かなと思ったので、最近はあたかもここに「うっかり不時着してきた感」を出すようにしています。

なるほど、素晴らしいです(笑)。以前、脳科学者の中野信子先生もそう言ってらっしゃいました。反感を買わないようにするには「自分とは違う世界の人だと比較できないようにする」と。みんな理解不能だから簡単に良い悪いって言わなくなるそうです。

あぁ、中野先生!それは納得です。私は漠然と思っていただけだったんですけど、中野先生みたいにきちんとした方がおっしゃると、より説得力が増しますね。

壇蜜と塚越友子

“魅力”も生きにくい部分のひとつ

(壇蜜さん)

ところで塚越先生、ビションフリーゼっていう犬種を知っていますか?たんぽぽの綿毛がそのまま犬になったような。

モコモコのワンちゃんでしたっけ?

そうです。きっと生きていくのが大変だろうなと思うほどモコモコなんだけど、でも多分そのモコモコがみんなに「かわいい」と思わせることを自分でわかってる。その時にふと気付いたんです。「魅力も生きにくい部分のひとつ」だということを。そのことを自分の中で解釈できると、今後人とトラブルが起きにくいだろうなぁって。人気商売ゆえに、「生きていくことの大変さみたいなものを押し付けがましくない程度に小出しできたらいいな」というのが…私の辿りついたところでしょうかねぇ。

妬みを受けないように、「私だってちょっと生きづらいのよ!」というのを出していくってことですか?

そうです。ただ、モデルが自撮りして「私ブスでしょ?」は通用しないと思うんですよ。だってあれは、こちとら見ていて救いようがないです。何も救われない。

そういうことじゃないですもんね(笑)。

塚越友子

相手に集中すること

相手への興味が「気配り」に繋がる

(塚越友子さん)

私も心理カウンセラーという職業柄、「誰とでもすぐに友達になれるし男も簡単に落とせるんでしょう?」「なんか心理テクニック教えて!」とか、よく言われちゃうんですよ。そう言われた瞬間にシャッターを下ろすことにしていて。「そんなこと簡単にできたら、今ごろ超能者になって世界征服しているわ!」って思ってます(笑)。

ふふ。どうして心理学に長けている先生はみんな「人の心がわかる」と思われちゃうんでしょうね。エスパーじゃないのに。

わからないから一生懸命追求しているのであって、ゴールに辿り着いていたら心理学っていう研究は終わっています。「心を掴みたい」とか「好印象を持たれたい」と思っている時点で、私は人の心は掴めないし良い印象は残せないんじゃないかなと思うんですね。ベクトルが相手ではなく自分に向いているじゃないですか。「自分が自分が!」って。

“こっち見て感”がすごいですよね。見てもらうばかりに気をとられて、相手を見てない。

「私の良いところを見て!好きって思って!」っていうのが、まず間違ってる。例えば今日だったら、「壇蜜さんと話したいなぁ。どんな話が聞けるんだろう?」と相手に集中する。相手への興味が心配りに繋がるんだと思います。

 

ー 意外にも、実は人見知りだというお2人。初対面にも関わらず盛り上がるトークからは想像もつきませんが、初対面で「相手の心を掴むテクニック」なんて持っていたりするのでしょうか?

壇蜜

人と会うときは、とりあえず

“いい匂い”でいること

(壇蜜さん)

私、持っていません。壇蜜さんお願いします(笑)。

私は初対面、有利ですよ。だってタレントですもん。でもそれだと話終わっちゃうので…私はとりあえず「いい匂い」させて行きますね。思いのほか、気になる匂いの人って話進まないんですよ。

なるほど。私だけかもしれないですけど、その人のメンタルの状態によって体臭が変わるのを察知できちゃうんですよ。だから調子の悪い人と会うと、健康な人とは明らかに違う匂いがするんです。

やっぱり!体のどこかから出ているんだと思うんですよ。だから極力、相手に対して悪いコンディションでは臨まないようにしますね。それが人付き合いの礼儀だと思います。話し方とかレスポンスの態度とか、そういうのも大事ですけど、まずは「この人と長時間一緒にいても大丈夫だ」という警戒心を解くところから始めます。初対面だったらなおさら。

私は顔立ちがはっきりしているから、初対面でキツい印象に見られちゃうんですね。なので、自分から先に話しかけるようにしています。

最近は自分から話しかけたり、良い印象を与えようとして自分で身繕いをすることが省かれちゃうことが多いのが不思議です。とくに女性は、受け身の方が多いですよね。「例えばこうするといいよ」って言っても皆さんなかなか実行されないです。

そうなんですよね。あれはね、実行できないんじゃなくて、実行した後に相手から嫌われたり拒絶されたりしたらショックだからやらないんですよ、どちらかというと。

そういうことなのかー。やってもいないのに諦めちゃうなんてもったいないですね。

塚越友子

良い人間関係を築くには

自分から1歩、踏み出すこと

(塚越友子さん)

自分がこれだけやったのに拒絶されたら最悪だから、受け身で様子を見ていましょうと。様子を見て、向こうが近寄ってきてくれたら「よし、自分も出そう!」っていう所がありますね。最近、話を聞いていると人間関係に臆病な方が多いように思います。

それは、特に若い人に多いんですか?

そうですね。特に20代前半くらいかなぁ。若い人は友達関係であまり自分を出さないですよね。「出して嫌われたらイヤだから出さない」とか。親友も彼氏もいるし、家族とも仲が良いけど、ディープな相談はカウンセリングに行きますみたいな人、結構いますよ。

悩みばっかり聞かされると嫌だろうなって思うからでしょうか?

これは、「ふれ合い恐怖的心性」って言うんですけれども、深い付き合いをしたがらないのが特徴ですね。他人と深く関わることを不安に思うのです。

 

ーでは、初対面が苦手な人同士が出会ったときはどうすればいいのでしょうか。有効な方法を教えてもらいました。

塚越友子

当たり前のことを

自分から話すことで会話を繋げる

(塚越友子さん)

話しの“とっかかり”になるような流行りのものを持つとか、珍しいものを持つとか、外見に気を配るのは良い方法だと思います。「それって今流行ってますよね」というように、会話づくりのフックになると思います。ただ、初対面が苦手な人はその一言も言えないっていう悩みはありますよね。

そうだ。著しくおかしなホクロ毛が出ていて、突っ込まれ待ちするとかどうでしょう?

それは逆にツッコミづらいかも(笑)。私は、名前や仕事などあえて「当たり前の流れ」を話すことから始めたりします。まず自分から名前を伝えて、こんな仕事をしています、今日はこういう経緯でここに来ました。ということを話して、「で、あなたは?」って聞くと向こうもそれを話すから会話が繋がる。

まずはそこからですよね。「誰かが話しかけてくるまで待とう」じゃなくて、自分からまず犠牲になるくらいの精神でやらないと。初対面って誰しも緊張するし、なかなか打ち解けにくいものだから。「難しいんだよ?いきなり仲良くなれるわけないんだよ?」と念押ししたい。

どんなに人付き合いがうまい人でも初対面はやっぱり大変だし、人付き合いは面倒くさいものだから、そこを受け入れる勇気を持ってほしいですね。

壇蜜

「好かれたいなら血を流せ!」

 初対面は自己犠牲の精神で

(壇蜜さん)

私は最近夏場なのでひどい虫刺されとか見せますよ。冬場だと手荒れがすごいから「裂けちゃって大変なんです。マッチ売りの少女みたいでしょ?」とか言ったりして。そうすると相手が、「何でそんなになっちゃったんですか?」って聞いてくれるので。まずは自分の“ネガキャン”から始めるとかどうでしょう(笑)。

あえての“ネガティブキャンペーン”ですか。

虫さされも手荒れも、皆さん共有したことがあるじゃないですか。でも最終的に、私も先生もやっぱり「自己犠牲」しか方法がないというのが着地点にある気がします。

社会的交換理論によると、人間って自分の利益が最大になるように行動するんです。「返報性の法則」ってあるじゃないですか。その人から好意を受けたら好意を返そうっていう法則。報酬を出してくれた人は良い人だと感じるメカニズムがあるから、そうなると先出ししない限り相手から好かれないわけですよ。だから好かれたいとか印象を良くしたいというのであれば、自分から声を掛ける。特に人見知り同士なんかは、「あ〜助かった!」とおそらく相手も思うので。大事なのはサービス精神ですよね。

そう。「好かれたいなら血を流せ!」ですよ。それに気付けば随分早くに解決すると思うんですけどね。みんながどんどん奥手になって、私はいずれこの国は滅ぶんじゃないかって危惧しています。

 

ー 「人付き合いの最大のコツは、自己犠牲」ということで意見が一致したお2人。これこそまさに、究極の気配り!出会う人を虜にしてしまう理由がわかりますね。最後に、お2人が思う「気配り」とはズバリどんなものか伺いました。
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壇蜜

人付き合いは「損して得取れ」

(壇蜜さん)

私は「損して得とれ」の姿勢かなぁ、と思いますね。得がいつ来るかわからないですけど、来世ぐらいには来るんじゃないかなって思ってます。でも最近は、損をしたくない人が増えましたよね。

塚越友子

気配りとは、ズバリ「反射神経」

(塚越友子さん)

多いですね。自分は何もしないけど、人からは何かされたいって気持ちが強い人が増えているように思います。結局そういう子たちが言う気遣いや心配りって「気遣いできてるね」と自分が言われるための行動になってしまうんです。

そうですね。

私は、気配りは「反射神経」だと思います。相手がポン!って叩いてきてからそれに反応するのが本当の気遣い、心配りだと思うんですね。それもしていないのに勝手にウイスキーの水割り作るとかおしぼり替えちゃうとかはただの押し売り。反射神経だって思えば、もっとみんな気配りできる人になれるんじゃないかなって思いますね。

「失敗しない、迷わない」をウリにしたハウツー本が出ているのも、みんなの反射神経がどんどん鈍ってきているからかなって、私も思います。

気配りって、失敗したり経験したりしながら、「今度はこうしよう」って体験的に身に付くものだから、それをハウツーにされても…ですよね。「ただ頷けば好かれる」なんて、文脈から切り離されちゃってますよね。

気配りは積み重ねだし、部分的に切り取ったら意味がないし、切り取ったものに飛びつくのは危険ですよね。

で、失敗するんですよね。それで「もう私やんない!」で引いちゃう。

それってお魚のフグと一緒だなって思うんですよ。いきなり食べられるようになったり高級料理になったわけじゃない。いろんな犠牲を払ってきた結果、それが間違いないものとして受け継がれてきているのに。そのへんはみんなどう思ってるのかなって。失敗した経験にも感謝できますしね。

それに失敗と思われるようなことも、実は失敗じゃなかったりしますよね。その方法がうまくいかなかったっていうだけの話で。

そっか。単に“方法が違っただけ”なんですね。

「自分の判断がどこかで間違っただけ」と思ったら気が楽ですよ。みんな正解か間違いか、Yes&Noクイズみたいに極端。そりゃどんどん人間関係が億劫になりますよね。

選択肢はいっぱいあるっていう想像すらしない世界になってますよね。常に妄想していればいいと思うんですけどね。私なんて妄想で1日が終わるんですよ、本当に。暇なんです。

妄想が豊かな人への気配りに繋がるんですね!

 

— さて、お話は尽きませんが、そろそろ〆のお時間。本日の〆の一品は、椎茸で取っただしの風味と柚子の香りがふわっと広がる定番にゅうめん すまし柚子です。

壇蜜

おいしい!

塩分の補給になるし、夏場にぴったりですね。あと、お野菜がすごく新鮮でフリーズドライって凄いですね!

塚越友子

とろみが効いてるから口の中でずっと楽しい。ずっともぐもぐできる〜。

 

— 本日は楽しいトークをありがとうございました!またのご来店をお待ちしております。
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撮影協力 / 池尻セレクトハウス(和光建物株式会社)

本日の一品

定番にゅうめん すまし柚子
にゅうめん すまし柚子
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1食(13g)
希望小売価格:
259円(税込)
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