辛酸なめ子さん×まつゆう*さん|【第2回】『アメリ』『君の名は。』…秋の夜長に観てほしい女子向け映画

辛酸なめ子
  • 辛酸なめ子
    辛酸なめ子
    漫画家・コラムニスト。1974年、東京都生まれ。埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『絶対霊度』(学研)、『辛酸なめ子の世界恋愛文学全集』(祥伝社)など。
  • まつゆう*
    まつゆう*
    東京生まれ、渋谷育ち。1998年からmedia iconとして、独自の“可愛いカルチャー”情報をウェブで発信している。TwitterやLINE、instagram等を紹介する著書や全編iPhoneで撮影された写真集を発表する一方で、国内外で影響力の高いmedia iconとして数多くのメゾンやブランドをクライアントに持ち、ウェブ、ブログやSNS、TVや雑誌など多方面のメディアで活躍中。

前回に引き続き、独自の視点と鋭い観察眼でおなじみの漫画家、コラムニスト・辛酸なめ子さんとmedia iconとして多方面で活躍中のまつゆう*さんをゲストにお迎えして「映画」にまつわるお話を伺います。

第1回は、映画との出会いと“おすすめの映画”について語っていただきました。今回のテーマは、「この秋にぴったりな究極の1本」について。お2人が大切にしている映画を観るときのこだわりも教えてもらいましたよ!

[前回のお話はコチラ]
【第1回】 映画好き女子が選ぶ!今、観るべき映画とは?

 

—お2人が映画を観るときに、「ここは、ゆずれない!」と、こだわっているポイントはありますか?

まつゆう*

主人公のファッションやメイク

視覚で楽しむことも大切!

(まつゆう*さん)

辛酸なめ子「こんな姿に生まれることができたらなぁ…」って、目の保養になるような美少女や美少年が登場する作品はつい観てしまいますね。

まつゆう*「目の保養になる」って大事ですよね〜。色彩が鮮やかだったり淡かったりと映像自体が美しいことや、登場人物のファッションやヘアメイクを楽しめることも重視していますけど…でも、やっぱり一番は「ヒロインが可愛いこと」!もう、それだけで観たくなっちゃいます。

辛酸なめ子正直ヒロインが可愛ければ、内容が薄くても最後まで観ていられる。『トランスフォーマー』のような大作は普段あまり観ないんですけど、女子高生が可愛かったからつい観ちゃいました(笑)。

まつゆう*苦手なジャンルでも、好みの子がいると観ちゃいますよね。

辛酸なめ子

ツッコミどころのある内容は

マニア心をくすぐる

(辛酸なめ子さん)

辛酸なめ子『神聖なる一族24人の娘たち』という映画は、ロシアのマリ・エル共和国という少数民族の風習をモチーフにしたすごくシュールな内容なんですけど、登場人物もファッションも可愛くて。森の精霊に呪いをかけられてしまう女性とか、いろいろな不思議な儀式もありつつ…。

まつゆう*出演している方は女優さんなんですか?

辛酸なめ子実際のマリ人の女性を起用してるみたいですね。

辛酸なめ子とまつゆう*

まつゆう*“だんだん神様へのネタ見せのように感じられてきました(※パンフレットを読みながら)”って、書いてある(笑)。

辛酸なめ子あと、観ながらツッコミがありつつ…という作品だと、フランスのクロード・ルルーシュ監督『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲』っていう映画もおもしろいですよ。インドを舞台に、“抱きしめる聖者*1”と呼ばれる聖母のアンマに会いにいくフランス人の男女の話なんですけど、途中でトレンディドラマみたいな感じになったりして。ちょこちょこツッコミどころがあるんですよね。あと、その男女が聖者に抱きしめられた夜に、肉体的な接触を持つんです。「なんで聖者に抱きしめられた後にそんな気持ちになるんだろう?」ってすごく不思議でしたね。やっぱりフランス人は違うな…って(笑)。
*1):インド出身の慈善活動家、シュリー・マーター・アムリターナンダマイー・デーヴィ(通称、アンマ)。1人1人を抱きしめる行為から、海外メディアでは”抱きしめる聖者”とも呼ばれている。

まつゆう*なんだか不思議な内容ですね。でも、余計に観たくなります。

辛酸なめ子マニアック要素やスピリチュアルでいうと、話題の『君の名は。』も少し近いですね。線路や電車のシーンがよく出てくるから鉄道オタクにも受けそうだし、神道の知られざる秘儀も描かれていてスピリチュアル要素もある。色々なマニアの人に刺さるような仕掛けがあるというか…ヒットするようにうまく考えられているなって思いましたね。

まつゆう*『君の名は。』、私も観に行きました。観たいと思いつつも機会を逃していて、公開から少し経ってからでしたけど。

辛酸なめ子公開から少し経っても未だに人が入ってますよね。新宿の映画館で観たんですけど、遅い時間帯なのにほぼ満席で。それで、不思議なことに上映中なのに男性が10人くらい席を立ってたんですよ。「この頃、トイレ近い系男子が増えたのかな?」とか(笑)、「感動して泣いちゃったからトイレに行くのかな?」とか思ったんですけど、そういう感じでもなくて。で、行き着いた答えが「何度もリピートしてるから」かもと。何度も観ていてすでにストーリーを知っているから、途中で席を離れても気にならなかったのかもしれません。

まつゆう*たしかに、リピートして観ている人が多いみたいですね。ゲイの男の子と、全然彼女ができないピュアすぎる男の子の3人で観に行ったんですけど、みんなで号泣しました。帰りにそれぞれ個々に『君の名は。』のサントラを聴きながら、また同じタイミングで全員泣くっていう(笑)。

辛酸なめ子どのシーンで泣きました?

まつゆう*主人公の瀧くんとヒロインの三葉が入れ替わって、後半で実はタイムリープしていたことが判明しますよね。その後に、2人が一瞬だけ会えた“あのシーン”で涙腺が崩壊!みたいな(笑)。

辛酸なめ子そのシーン、トイレに行く男子たちにちょうど気をとられてたところだ(笑)。

まつゆう*あぁ残念…!公開中の映画だと、こうやって人に話す時にネタバレしないようにちょっと気使いますよね。“あのシーン”以外にも語りたいポイントは山ほどあるんですけど…。

辛酸なめ子ネタバレ怖いですよね。まだ『君の名は。』を観ていない人には、「すごく、よかったよ〜」くらいの感想に留めておきましょう(笑)。

 

ー映画のこだわりポイントとして、ファッションや映像の美しさなど、「視覚で楽しむ」というのは女性ならではの視点のように思います。この秋、女子におすすめしたい映画はありますか?

まつゆう*

秋ファッションを楽しめる『アメリ』は

若い女の子にも観てほしい!

(まつゆう*さん)

まつゆう*最近の若い子たちが一周回って、私たちが若かった時に流行っていたものをファッションに取り入れることってありますよね。例えば、映画でも『トゥルー・ロマンス』の主人公のファッションを真似する人がいたり、『レオン』のマチルダのチョーカーや“マチルダボブ”が流行ったり。

辛酸なめ子うんうん、わかります。

まつゆう*これからの季節だったら、秋色ということで『アメリ』もいいなぁ…って思います。『アメリ』って私たちの世代にとっては定番感があるんですけど、若い世代だと観たことがない子も意外と多くて。

辛酸なめ子もう15年前の映画ですからね。

まつゆう*ジャケ写は赤とグリーンの“クリスマスカラー”だし、登場人物の服装も秋っぽいのでこれからの季節のファッションの参考にもなりそうかなと。あと、ラブストーリーもありつつ、色々な人とのエピソードがあってストーリーも素敵。恋愛や夢に一歩踏み出せない女の子に「頑張れ!」とエールを与えてくれるはず。

辛酸なめ子恋愛離れしてる現代の若者にちょうど合ってますよね。

まつゆう*そうですね。“草食系の極み”みたいな登場人物に、共感する若者は多いかも(笑)。

辛酸なめ子『アメリ』はやっぱり名作ですよ。私も『アメリ』に影響されて、当時はやたらとクレームブリュレを食べてました。一時期は感化され過ぎちゃって、「なめり」とか名乗ったりして(笑)。

まつゆう*「なめり」、いいですね(笑)!公開当時の『アメリ』って、今でいう『君の名は。』レベルで流行ってましたよね。私も当時すごくハマっていて、『アメリ』の写真集をスキャンして、携帯のメールの送受信画面を自作で作ったりしていました。

辛酸なめ子

勝手に“裏アメリ”だと思っている

『神様メール』、ぜひ秋の夜長に

(辛酸なめ子さん)

辛酸なめ子ちょうど『アメリ』の話題が出たので、私は自分で勝手に“裏アメリ”だって思っている『神様メール』という映画をおすすめします。

まつゆう*どんな作品なんですか?

辛酸なめ子主人公のお父さんが“神様”なんですけど、この神様がすごく嫌な奴で。嫌な法則をいっぱい作って人間を困らせるんです。『アメリ』の逆バージョンみたいな人。例えば、ジャムを塗ったパンが落ちる時は、必ずジャムの方が下になって落ちたり、自分が並ばなかったほうのレジが早く進むとか(笑)。

まつゆう*ふふ、地味に嫌な法則ですね。

辛酸なめ子とにかくそういう嫌な法則を作って、神様は楽しんでいるんです。そこで、主人公の娘がそれに反抗して、人間たちにそれぞれの余命を知らせるメールを送っちゃって、混乱している人間界に降りてお悩みを解決していく。でも、キュートでほっこりする作品なんですよ。そういうところは『アメリ』と類似性があるというか。

まつゆう*“裏アメリ”こと『神様メール』、気になりますね!

辛酸なめ子秋っぽいかはわからないですけど、秋の夜長に余命や神様についてじっくり考えてみるのもいいんじゃないでしょうか(笑)。

 

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撮影協力 / 池尻セレクトハウス(和光建物株式会社)

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