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パクチーハウス×SHIBUYA CHEESE STAND|【第1回】世界を旅した話題の店主対談!パクチー&チーズに魅了された理由とは?

佐谷恭と藤川真至
  • 佐谷恭
    佐谷恭
    1975年神奈川県秦野市生まれ。幼い頃から積極的に国際交流をし19歳から旅を始め、現在までの訪問国数約50カ国。2007年それまでの旅の経験を日本社会に還元するため「旅人が平和を創る」という信念のもと株式会社旅と平和設立。2007年”交流する飲食店”パクチーハウス東京設立。2010年7月”パーティするように仕事する”PAX Coworkingを立ち上げた。著書に『ぱくぱく!パクチー』(情報センター出版局)、『つながりの仕事術「コワーキング」を始めよう』(共著、洋泉社)、『みんなで作るパクチー料理』(スモール出版)。
  • 藤川真至
    藤川真至
    1981年岐阜県生。大阪外国語大学(現 大阪大学)イタリア語学科卒業。大学在学中のバックパッカー中に、イタリア・ナポリのピッツェリアに飛び込みで修業。また北イタリアで3週間ほどチーズ農家に住み込みで働く。帰国後、名古屋のレストランやドーナツ店のマネージャーとして勤務。2012年「街に出来たてのチーズを」をコンセプトにSHIBUYA CHEESE STANDをオープン。2016年12月「& CHEESE STAND」を富ヶ谷にオープン。他、オウンドメディア「CHEESE Media」なども手がけ、チーズの普及に努める。
佐谷恭藤川真至

アマノ食堂に訪れる、お客さんの“おいしいお話”をお届けする「今週のお客さん」。今回の対談テーマは、今女性に大人気の「パクチーとチーズ」について。

ゲストは、世界初のパクチー料理専門店『パクチーハウス』のオ−ナー・佐谷恭さんと、店内で作った出来たてのフレッシュチーズを堪能できる『SHIBUYA CHEESE STAND』のオーナー・藤川真至さん。人気店の店主であるお2人のルーツともいえる旅先での経験と、“パクチーとチーズ”の知られざる魅力について語って頂く店主対談インタビュー。全2回でお届けします!

 

ーパクチーとチーズを専門に扱うお2人。実は、以前にもお会いしたことがあるんですよね。

佐谷恭と藤川真至

はい、お久しぶりです~。ちょうど1年ほど前に『パクチーハウス』と『SHIBUYA CHEESE STAND』共催でイベントをやったんですよね。

もともと僕の友人が『パクチーハウス』で働いていたこともあって、一度食べにうかがった時に、佐谷さんと意気投合したのがきっかけでしたね。

そう。自分が何を、どういう風にお店をやっていきたいのか、ちゃんとデザインしている人だなぁ…ってつい感心してしまって。うちはパクチー屋だから、何かチーズと絡めて一緒にできることってないかな〜って話をしたんですよね。

チーズのソムリエの先生も交えて行いましたね。イベントの当日は50名ほどのお客さまと一緒に、その日限りのパクチーとチーズの特別メニューを8品ほど味わいながら、「旅とパクチーとチーズ」の話をしました。

普段、お店で出しているチーズっていったら、パルメザンチーズくらいだから新しい発見があって良かったな~。実はこういうイベントって両方が飲食店だとなかなかやりにくい。というのも、尖っていておもしろいお店ほど“人”が顔になっているので、その人が店にいないと穴が大きくて。

だから、なおさら貴重でしたね。

『パクチーハウス』も『SHIBUYA CHEESE STAND』も、好んで通っていただいてるお客さまがいますけど、とにかくそういう場に来てくれる人は食に対して能動的。日常の行動範囲内にある店に通うだけでなく、テーマに応じたお店を選んで、わざわざそれを食べるために足を運ぶような方々でしたね。

 

ーすでに根強いファンもいらっしゃるお店を経営されているお2人。お店をオープンされたきっかけを教えてください。

『パクチーハウス』のオープンは2007年11月。僕はもともと海外を旅をしていたので、その経験を活かしてパクチーの専門店を始めました。そこにいたるまでの旅については…話し始めると1日が終わっちゃうので省略しちゃいますが。

すごく気になりますけども(笑)。

佐谷恭

パクチーは

旅人を集めるのに最適な食材

(佐谷恭さん)

これまでに50カ国くらい旅をしましたが、日本になくて、他のどの国にでもある食材がパクチーだったんです。日本には1000年以上前に渡来していたんですけど、あまり普及しなかったんですね。だから、当時はエスニック料理屋で、たまに葉っぱ2枚くらい食べられるかな…程度で。ちなみに、日本から見ると、パクチーってタイやベトナムのイメージが強いかもしれませんが、実は地中海が発祥で世界中で食べられているんですよ。味が強烈なのでよく話題になりますけど、日本でパクチーに興味持っている人って、異国の文化に興味がある人なんじゃないかってことにふと気づいたんです。

すごい着眼点ですね。

僕の信念は“旅人が増えることで、世の中がもっと豊かに楽しく平和になる”こと。それを直感的に理解できる人を集めたいなって思って。そこで飲食店という誰でも集える形をとって、異国の文化に興味がある人や旅人を集めるのに最適な食材、ということで“パクチー”の専門店にしたんです。

すごいですね!

ビジネスの専門家には「それじゃ儲からないから、間口を広げたほうがいい」と言われるんですよ。でもね、楽しさや話題を作り出したくてやっている場だし、誰かが誰かに話しかけるっていう状況を作り出したいだけなんです。

なるほど~。

海外で、見たことない料理を見つけて誰かに聞いたりするような。この店に来て、「あんなことが楽しかったなぁ…」って思い出せるような体験を持って帰ってもらいたい。まあ、たまたま日本は世界に比べてパクチーの後進国だったことと、日本の食の技術はとても優れているので、あらためて解釈し、再発信できる稀有な食材だったというのもありますね。

しかも、集まったみんなで乾杯できれば…。

それが最高ですよね(笑)。自分にとっては“旅の思い出の懐かしさ”を感じられる草、って思ってるんですけどね。

藤川真至

小さい頃から大好きだった

チーズの世界にイタリアで再会

(藤川真至さん)

僕は2012年6月から『SHIBUYA CHEESE STAND』を始めました。小さい頃からピザやハンバーグに使われているチーズがすごく好きで。今思えば、プロセスチーズとかですけど(笑)。高校生の時に、料理人になるか大学に行くかで進路を迷って。結局、大学に入ってイタリア語を専攻しました。料理人ならイタリア料理だなって考えていたんですけどね。

とにかくイタリアがあったんですね。

大学4年になる頃には、「料理人になる」夢を忘れかけていました。そんなときバックパックの旅に出たんですが、旅の途中でたまたま到着したイタリアで、「あぁ、やっぱり料理っていいな」と改めて感じたんです!ナポリピッツァのお店に飛び込んで、3ヵ月程修業させてもらったんです。

すごい!そこでチーズに出会ったわけですね。

その修業時代、出来たてのチーズをつくる工房がナポリの郊外にあったんですよ。それを初めて食べたときにもう、すごく感動して!「これは自分もいつかやってやろう!」と心に決めて、日本に帰ってきたんです。ちなみに大学の卒業論文も“水牛のモッツアレラ”がテーマでした(笑)。

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(卒論テーマを“モッツアレラ”にしてしまうほど、チーズ愛が深い藤川さん。今回、お店の人気メニュー「たっぷりトマトとブッラータ オレガノ添え」 を作って頂きました!)

すごいですね〜それは!

ははは。最初は「日本で水牛のモッツアレラは作れるか?」というテーマで書こうと思ったんですけど、僕が専攻していたのは畜産ではなく語学だったので、それはさすがに認められなくて(笑)。やむなく歴史や経緯・文化の観点から書きました。

大学卒業後はどこかに就職を?

ナポリピッツァのお店で働いた後、経営の勉強もかねてドーナツ屋さんでも経験を積ませてもらいました。その間に牧場へ通って見学したり。大学卒業から8年くらい経って、ようやくお店をオープンしたんですよ。

学生時代から構想があったなんてすごい。僕、学生の頃なんて何も考えてなかったですよ(笑)。お店をやろうかなと考え始めたのは、結婚して子どもができてからです。何か自分もちゃんとしたことをやらねば…でも普通の会社員じゃだめだ!と。半年ほど悶々と考えていたときに、「世界中を旅してきた体験を活かせないか?」とふと思いついたんです。その結論が“パクチー屋”だったという。

すごくいい話ですね。

でも、半年考えて出した結論がパクチー屋って…。今思うと、あの時の行動力は自分でもドキドキしちゃいます(笑)。

 

—海外での経験がお2人の価値観に大きな影響を与えたんですね。実際に旅をしていて印象深いエピソードはありますか?

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旅の途中でイタリアに行こうと決心。

夢中で打ち込んでいる人が刺激になった

(藤川真至さん)

でも、僕もバックパッカーをしていた時、イタリアに行くつもりなんてなかったんですよ。

そうなんですか?

ロシア、インド、東南アジアなどを周って、日本に帰って来るつもりでした。でも、途中でヨーロッパ周遊の安いバスチケットを手に入れたので、ヨーロッパに行ってみることにしたんです。するとそこで、ミシュランの星付きレストランで修業している方とか、何かに夢中で打ち込んでいる人に出会ってすごく刺激を受けて。「自分もこの旅の間に何かやってやろう!」って思ったんです。

修業で飛び込ませてもらうなんて…とても大胆で行動的ですよね。

目的をもってインプットのできる旅だとよいのですが、目的がない旅をしていると、消費ばっかりで生産性が無くて。これで本当にいいのかな…って思うようになりませんか?

あぁ、確かに!1週間〜10日の旅だったらそうは思わないかもですけど、2週間以上いると毎日凄いものばかり見ていることに飽きてくる。なので、だんだん観光名所みたいなところには行かなくなって、旅で出会った方や、現地の方と喋るのが楽しくなってきますね。なぜか会社訪問したこともあったなあ…。

すごいですね!どうしてそんなことに!?

佐谷恭

想像を超える体験を味わえるのが

旅の醍醐味!

(佐谷恭さん)

なぜかイランでオフィスへ招いていただきまして。現地の人に道を尋ねたら「連れてってあげるよ!」って言われて、そのままオフィスや自宅にまで連れていかれたこともあります(笑)。それで、会社の仲間に「今日こいつを案内するから、1日休むわ〜」みたいなことを話しているんですよ。しかも、本当に1日案内してくれたりして。僕は、そういう働き方を見ていたので、帰国して日本で会社員をやっていた時も「あの感覚ってなんだったんだろうな…」ってよく思っていました。旅って、そういうアクシデントやハプニングがたくさん起こるんですよね。

わかります!いろいろ経験はしておきたいので、旅でのそういうチャンスは受け止めておこう!って思いますよね。考え方の違いに触れることで、自分の選択肢が広がったような気がします。

「この道しかない」って思ってしまいがちですけど、どっちに行ってもいい。“選択肢が多い”というだけじゃなくて、「目の前にあるその柵自体を飛び越えていいんだよ」と教えてくれるのが旅だと思います。僕は「旅人経営者の会」ってグループを作っていて、世の中には旅の経験を持った上で経営に関わっている人がたくさんいる。そういう人たちも、意思決定の場面などで少なからず、旅の恩恵を感じているんじゃないかと思います。

 

—次回は無限に広がるパクチーとチーズの楽しみ方、その知られざる魅力についてお届けします!
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撮影協力/パクチーハウス東京

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[第2回]可能性は無限大!?パクチーとチーズの知られざる魅力を語りつくす!

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