
お手頃価格の鶏肉は、自炊派にとって欠かせない食材のひとつ。定番の唐揚げの他に、チキンステーキも人気ですが、ついマンネリ化しちゃいませんか? そこで今回はシェフ直伝の本格チキンステーキと、簡単で万能なソースの作り方をご紹介します。
焼く前のひと手間でパリパリ食感に!
おいしいチキンステーキの作り方を教えてくれるのは代々木上原のフレンチレストラン『sio』のオーナーシェフ・鳥羽周作さん。鶏肉をパリパリとした食感に焼き上げるのは意外と難しいんですよね。
鳥羽さん:
「ポイントは“乾かす”こと。鶏肉を調理する前に皮目を乾かしておくんです。そうすると程よく水分が抜けて、皮目がパリパリに仕上がるんです。また、焼く前に肉を常温にしておくことで生焼け防止にもなります」
ちょっとしたひと手間ですが、このプロセスを加えることで全く違う焼き上がりになるんだとか。 「パリパリチキンステーキ」のレシピ (料理監修 / 鳥羽周作さん(sioオーナーシェフ)) ・鶏もも肉…1枚(約300g) <ソース> 調理する約2時間前に、鶏もも肉を身の部分は乾燥しないようラップをかけ冷蔵庫の中で乾燥させます。焼く直前は常温に戻しましょう。(皮目の部分はラップをしないでおく) 皮をパリパリにするため、調理前の“乾燥”はマスト!冬など涼しい季節は常温で乾燥させてもOK。 焼く直前の鶏もも肉にまんべんなく塩をふります。フライパンを強火で30秒ほど予熱し、オリーブ油を入れなじませます。フライパンからゆらゆらと煙が出たらオリーブ油を捨て、鶏もも肉の皮目を下にして入れます。フタをして強めの弱火で7分焼きましょう。 フタを取り、鶏もも肉を裏返して1分加熱。さらに裏返し、ヘラなどで時々押さえながら皮目がパリっとなるように2分ほど加熱します。皮目がカリカリに焼けたら、フライパンから取り出し、皮目を上にして1分休ませます。 余熱で1分休ませることで、鶏肉の内側までしっかりと火が通りますよ。 3で使ったフライパンを軽く洗って拭き、お好みの野菜(今回はエノキとパプリカ、なすを使用)を入れ、焦げ目がつくまで香ばしく焼きます。ソースは小鍋やフライパンに材料を入れ弱火で加熱しながら全体を混ぜ合わせます。
食感の秘訣は“乾燥”にあり!「パリパリチキンステーキ」の作り方
・塩…2〜3g(肉の重さに対して1%)
・オリーブ油…小さじ1
・甜麺醤…大さじ2
・はちみつ…小さじ2
・バター…20g
・水…大さじ2作り方
POINT
POINT
チキンステーキに焼き野菜を添え、特製甜麺醤ソースをかければ「パリパリチキンステーキ 焼き野菜添え」の完成です!ナイフを入れると“パリっ”とおいしい音が聞こえます♪
特製甜麺醤ソースは、甜麺醤のコクとバターの香りが芳醇で、ちょっぴり北京ダック風な味わい。
食感も楽しいチキンステーキに「三ツ星キッチン 3種のチーズのクリームパスタ」を添えたら、ワインにもぴったりなビストロセットになりました。
鳥羽さん:
「シンプルな料理だからこそ、テクニックが必要なんです。皮目を乾燥させるだけなので、ぜひお試しください。ちなみに甜麺醤ソースは万能調味料。サラダチキンと和えてもおいしいし、野菜炒めの味付けにも使えますよ」
定番料理に光るプロの技…。鳥羽さんのテクニックで、ワンランク上のチキンステーキを作ってみましょう!
【今月の料理人】
鳥羽周作さん/sioオーナーシェフ
1978年生まれ、埼玉県出身。料理人である父の背中を見て育ち、一度は別の職種に従事するも32歳で料理の道へ。都内のレストランで修行を積んだ後、フレンチレストラン「Gris」のシェフに就任。2018年にはオーナーシェフとして自身の店「sio」をオープン。その後翌年には「o/sio」「パーラー大箸」とさらに2店舗を展開。ネット上でプロのレシピを紹介した『#おうちでsio』が話題。
・鳥羽周作Twitter
写真/パタヤナン・ワラット(vvpfoto)