小倉ヒラクの「手前みそTIMES」

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【第4回】タラレバ娘に飲ませたい、二日酔いレスキュー味噌汁

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小倉ヒラク
発酵デザイナー
「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、東京農業大学の醸造学科研究生として発酵を学びつつ、全国各地の醸造家たちと商品開発や絵本・アニメの制作やワークショップをおこなっている。『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014受賞。自由大学や桜美林大学等の一般向け講座で、発酵学の講師も務めている。2015年より新作絵本『おうちでかんたんこうじづくり』とともに、「こうじづくり講座」を全国で展開中。

味噌汁飲んでますかー!?

発酵デザイナーの小倉ヒラクです。

 

突然ですが、『東京タラレバ娘』(作:東村アキコ)という漫画をご存知でしょうか?

 

アラサー女子達のシビアな恋愛事情を描いたコメディ漫画(←妙齢の女子にとってはホラー漫画)で、これが実に面白いんですよね。

 

でね。

 

このタラレバ娘さんたち、「もう明日なんて来なくていい」みたいなお酒の飲み方してるじゃないですか。こんな飲み方していると、次の日の朝は「二日酔い地獄」にストレート・インするのが確実。僕もお酒飲みなので、ちょくちょく二日酔いになって「もう酒なんて飲まないなんて言わないよ絶対」と絶望のハミングを口ずさみながら布団に突っ伏していることがあります。

 

そこで、今回はアマノ食堂をご覧のタラレバ娘の皆さまに「二日酔い地獄」から僕たちを救ってくれるお味噌汁のレシピを伝授したいと思います。押忍!

 

 

***

 

シラフではわからない、禁断のうまさ。

それでは今月の味噌汁レシピ、いってみよう!

 

【レシピ名】

疲れた肝臓に染みわたる、二日酔いレスキュー味噌汁

 

【作り方】※2〜3杯分

・味噌:豆味噌(八丁味噌)…大さじ2〜3(普通よりちょっと多めに)

・ダシ:いりこ(煮干)…水約0.4Lに対して15gくらい

・具材:しじみ…1/2パック、長ねぎ…お好み

 

 

ガタッ…!!(←驚きでイスが倒れる音)

「ファッ…!? こいつ、気は確かなのか!?」

「八丁味噌にいりこダシだと!?なんだその『ゴジラvsモスラ』みたいな組み合わせは?」

 

…と、今回もまた味噌汁業界の動揺が伝わってきますが、僕は正気です(シラフではないですが)。

 

この世に生まれてきたことすら後悔する最低のゾンビ状態でこの味噌汁を飲むと、聖マリアに天使ガブリエルが受胎告知をする瞬間のごとく、世界の混沌が鎮まり、天から一条の光が差し込んできます。

 

「宿った…! ワタシの中に…!! 生きる意志がッ…!!」

 

 

さてそれでは、レシピの解説。
 

◆アクの強いもの同士を組み合わせる

前回の記事でも説明した通り、八丁味噌は東海地方限定の個性派味噌。塩味や旨味よりも、コクや苦味を強く感じます。そこに、アクの強いいりこダシをあわせるので、当然渋くて苦い味噌汁になります。普通であれば、絶対にこんな組み合わせはチョイスしません。ところが…

 

◆邪道な組み合わせが、なぜか二日酔いに効く

なぜか二日酔いの時に飲むと、最高に美味しいんだこれが。飲んだそばから、体の中に蓄積したアルコール残留物がデトックスされていくように感じます。

(でも素面の時に飲むと「?」な味でしかない)

 

 

***

 

それでは、実際に作ってみましょう。

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豆みそ。いわゆる「八丁味噌」というヤツです。

 

普通のスーパーで売っているのは「赤だし味噌」といって、若干味を飲みやすく調整してあるもの。詳しくは前回の記事でも解説しています。

 

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先月のレシピに引き続いて、いりこダシ。そのまま食べることもできる小ぶりなものをチョイスすれば、引き上げずに具として食べることができるので楽チンです。

 

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お鍋に水を入れ、火をかけると同時にいりことしじみを入れます。

 

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しじみ。普通は砂抜き(塩水につけて砂利を貝から吐き出させること)をするのですが、今回はすでに砂抜きしてある真空パックタイプをチョイス(だってほら、二日酔いの時に悠長なことしてられないしさ)。

 

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お湯が煮立ってきたら、お味噌を溶かし入れます。八丁味噌は普通の味噌よりも硬いので、丁寧に溶かす。最後に刻んだ長ネギを上にパラパラかけて完成。

 

【ポイント】

お湯を沸騰させないように、しじみを長く煮込みすぎないように注意すること。お味噌とダシの量は思い切って多めに入れます。

 

 

***

 

というわけで、二日酔いの時に飲んでみました

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「ホントにおいしいの?」と疑問をお持ちの方も多いと思いますので、実際にお酒を飲んでいきたいと思います。

 

僕の住んでいる山梨県勝沼の地ワインと、奈良のこだわり山廃純米酒、そしてクラフトビールの3種のお酒を用意しました。

 

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いやあ、お酒って本当に素晴らしいですねえ…

 

いやあ…、本当に…、お酒って……

 

 

 

※そして翌朝

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昨晩は、いつもより少し飲みすぎてしまいました。

 

それでは「二日酔いレスキュー味噌汁」をいただきます。

 

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(ズズッ……)

(ゴク…ゴク…)

 

(………………)

 

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それではタラレバ娘の皆さま、ごきげんよう。

 

 

次回、「意識高い!自分を高める『味噌の選びかた』5つのヒント」でお会いしましょう。

 

発酵デザイナーの小倉ヒラクでした。