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キムケンの「わが家にフリーズドライがやってきた!」

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【第24回】僕と減量とカレーとトンカツと【四コマ漫画】

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キムケン
漫画料理家
昼間は会社員、夜は料理人、休日は絵描き。アメーバ公式ブログ「木村食堂」では、身近で手に入りやすい食材を使ったレシピと、その料理にまつわる四コマ漫画をほぼ毎日更新中。著作に『うちメシ - ゆかいな我が家の漫画とレシピ -』(ワニブックス)他、雑誌や料理サイトでのレシピ連載多数。

キムケン四コマ漫画
 

***

 

日本人が大好きなトンカツとカレー。この両者がタッグを組んだとき、その相乗効果は計り知れないものがあります。1+1=2とか、そういうレベルではありません。1+1が10にも100にもなる、それほどのすごさがあります。

 

歴史を紐解けば、名タッグというのは数多くあります。

古くはジャイアント馬場とアントニオ猪木がタッグを組んだBI砲、もしくは王&長嶋のON砲、もう少し新しい時代だと西武ライオンズの秋山&清原のAK砲でしょうかね。

 

個人的にはデストラーデを加えたAKD砲の方が好きですが、バークレオ在籍時にはAKB砲なんて言われたりもしてましたね。元祖AKBですよ。

あとは、清原が巨人に移籍した後に松井とタッグを組んでMK砲になり、高橋由伸も加えてMKT砲となりますが、個人的には高橋由伸の「ウルフ」という愛称があまり浸透しなかったのが心残りで……

 

あれ、なんの話でしたっけ。トンカツとカレーでしたかね。

 

そうそう、トンカツとカレーの相性がすごいという話ですよ。いや、これを一緒にした人、本当にすごくないですか? 一説によると、巨人軍の千葉茂選手が「カレーライスにカツをのせてくれ」と言ったことがカツカレーの始まりとも言われていますが、この千葉茂選手というのが、巨人軍の第一次黄金期を支えたというのはあまりにも有名な話で…

 

すいません。つい熱くなってしまいました。

 

とにかく、私はカツカレーと巨人が大好きなんです。

 

で、このカツカレーですが、たっぷりのご飯にのせて食べると恐ろしいほどのカロリーになります。これは恐ろしい食べ物ですよ。

 

というのも、私は趣味でボクシングをやっているのですが、うっかり試合に出ることになり、そうなってくると「減量」というイベントがのしかかってきます。

 

プロのように「もともと絞りきってる身体をもっと絞る」というような壮絶さはないものの、1ヶ月で10キロ程度は落とす必要がありました。

 

そうなってくると、普段の食事は質素になり、ローカロリーで低糖質といったものが中心になります。朝はヨーグルトとバナナ、昼は小さい玄米のおにぎりとサラダとみそ汁、夜は野菜スープと言った具合です。カレーはもちろんNGですし、カツカレーなんてもってのほかです。

 

そんなときにアマノフーズは言ってきましたよ。

「今度とんかつカレー出るから食べてみてね」と。

 

ちょっと待ってくれよと。

 

いや、カツカレーは好きですよ。好きすぎますよ。正直「これから1年間カツカレーだけで過ごしてください」と言われても「ハイ喜んで!」と返事するくらい好きですよ。

 

でもちょっと待ってくれよと。

 

アマチュアといえども、試合が決まった以上は私もボクサーです。体重超過は絶対に許されることではありません。対戦相手はもちろん、ジムの会長や観客の皆さんに迷惑がかかりますし、なにより、もしリミット体重まで落とせなかったら、そんな基本的なルールを守れない自分自身が許せなくなります。

 

ああ、頭の中であの誘惑の言葉が…「とんかつカレーが出るから食べてみてね」…。

 

フリーズドライのとんかつカレーパッケージ

とんかつカレーの誘惑になんて負けませんよ。誘惑に勝って、試合にも勝つ…!かつ…とんかつ……

 

いやいや、負けない!負けな…

 

フリーズドライのとんかつカレーをにお湯をかけたところ

負けました。

食べてやるさ!熱湯かけてね!

 

フリーズドライのとんかつカレーにチーズをトッピング

もう、玉子とチーズもトッピングしちゃってね!

 

……せめてもの抵抗として、白米を玄米に変えて食べました。おいしかったです。

 

このとんかつカレー、かなり本格的なスパイシーさがあるのですが、それよりももっと「背徳感」というスパイスが強すぎて、私は何が何だかわからなくなりながら、それでも夢中でカレーをむさぼりました。

 

それからというものの、私は今まで以上にストイックに減量に励むことになりました。仕事へ行く前にランニングと縄跳びを1時間、会社では人に見られていないところでシャドウボクシング、仕事が終われば2時間のジムワークと、一体自分がどこへ向かっているのかよくわからない状態になりました。

 

それも、これでリミットオーバーなどしてしまったら、私は「カツカレーのせいで…」と、大好きなカツカレーのせいにしてしまうことになるかもしれなかったからです。よくよく考えたら、試合後に食べればいいものの、勝手に食べた私のせいなのですが、そこまで気が回らないのが減量中の悲しいサガです。

 

そして迎えた試合当日、しっかりと体重を落とし、無事リミットをクリアして臨んだ試合は、見事勝利で終えることができました。(とんかつカレーの誘惑には負けましたが)

 

そういえば、昔からスポーツの試合の前には母がカツカレーを作ってくれたことを思い出しました。あまりにもありふれた縁起物ですが、それでも私は試合前のカツカレーで気合いが入っていました。そして今回も、図らずも試合前にカツカレーを食べて、勝利を収めたことは偶然ではないでしょう。

 

減量から解放され、ジムのみんなで食事を食べに行くことになり、好きなものを食べていいとなったとき、私は迷うことなくこう言いました。

 

「すいません、唐揚げ定食ください!」

 

カツカレーもいいですが、私は唐揚げも大好きなのでした。