真野遥の「やさしい発酵図鑑」

mano_prof

【やさしい発酵図鑑vol.5】ドリンクや料理に! 炊飯器でできる甘酒レシピとおいしい活用法

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
mano_prof
真野遥
発酵料理家
ものづくりに興味を持ち、「一番身近なものづくりは料理である」と食の道へ。全国の酒蔵、味噌蔵など醸造所を訪ねて周り、訪問した酒蔵は60件以上。現在は、日本酒に合う発酵料理の提案を中心に、レシピ開発や執筆を中心に幅広く活動している。日本酒と発酵食品のペアリングが楽しめる料理教室も主宰し、参加者数は年間500名以上にのぼる。

こんにちは、発酵料理家の真野遥です。今回のやさしい発酵図鑑のテーマは「甘酒」です!

 

女性を中心に人気の甘酒ですが、種類の違いや料理への使い道など、甘酒に対する疑問の声を多く耳にします。そこで今回は、皆さんが疑問に感じやすい点を中心に、甘酒のお話をしていきたいと思います!

 

甘酒は大きく分けて2種類!

 

一般的に「甘酒」と呼ばれるものには、「米麹で作る甘酒」「酒粕で作る甘酒」の2種類があります。

 

「米麹で作る甘酒」は、麹の酵素により米のデンプンがブドウ糖に分解されることで甘味が生まれ、砂糖もアルコールも含まれていません。一方の「酒粕で作る甘酒」は、酒粕(日本酒の搾りかす)をお湯で溶いて砂糖を加えたもので、砂糖とアルコールが含まれています。お正月に神社で振る舞われているのは、主に酒粕の甘酒です。

 

酒粕の甘酒もおいしいですが、今回は「米麹で作る甘酒」に限定して、お話をしていきます。

 

栄養ドリンクとして飲まれていた? 甘酒の歴史

甘酒の歴史は古く、奈良時代に成立した「日本書紀」には、既に甘酒の原型と思われる「天甜酒(あまのたむさけ)」についての記述が残っています。

 

ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンB群が豊富で、「飲む点滴」と呼ばれるほど滋養に富んだ甘酒は、栄養の乏しかった時代の貴重な栄養ドリンクとしても親しまれていたそう。江戸時代には、夏に甘酒を売り歩く「甘酒売り」が夏の風物詩だったそうで、今でも甘酒は夏の季語として使われているんですよ!

 

そのまま飲むだけじゃない! 甘酒の使い方

 

甘酒は、ドリンクとしてはもちろん、調味料として料理にも使うことができます。私のおすすめの使い方をご紹介いたします。

 

mano_2010_02

mano_2010_03

自分で甘酒を作る場合は、少し濃いめの甘酒を作ることをおすすめします。

水分が多いサラサラな甘酒は飲みやすいですが、料理やドリンクへの応用が難しいです。

最初に濃いめの甘酒を作り、そのまま飲む場合は水やお湯で好みの濃さに薄めるとよいでしょう。

 

炊飯器を使った甘酒の作り方

炊飯器を使った甘酒の作り方

「基本の甘酒」のレシピ

甘酒は、炊飯器で簡単に作ることができます。麹の持つ「アミラーゼ」という糖化酵素は60℃付近で最も活発に働くため、その特性を活かして60℃で8時間ほど保温すると、米のデンプンがブドウ糖に分解されて自然な甘味が生まれます。

市販の甘酒は加熱殺菌されているものがほとんどですが、手作りすれば酵素が活きた”生の甘酒”を味わうことができますよ!

材料

【材料(作りやすい分量)】

米…1合(150g)

乾燥米麹…150g

作り方

1

米を研ぎ、1時間以上吸水させたら、ザルにあげて水気を切る。炊飯器に入れ、400mlの水(分量外)を入れて炊飯する。

2

炊き上がったご飯に300mlの水(分量外)を加え、よく混ぜる。60℃以下まで冷めたら、米麹をほぐしながら加えてよく混ぜる。

3

釜の上に濡れ布巾をのせ、蓋を開けた状態で保温ボタンを押し、8時間保温。ペースト状になったら完成!

POINT

・途中、1〜2回かき混ぜ、布巾は乾かないよう、都度濡らしましょう。

 

・保温機を使う場合は、3の工程の前に保温機に移し、60℃で8時間保温します。途中で混ぜる必要はありません。

 

・ご飯を炊くのが面倒な場合は、乾燥米麹200gに水400mlを加えてよく混ぜ、同様に保温すれば簡単に甘酒を作ることができます。

 

ミネラルたっぷり「玄米甘酒」

お米を玄米に変えれば、玄米甘酒になります(ただし、お米を研ぐ際は両手でこすりつけるように洗い、6時間以上吸水させるようにしてください)。

 

白米よりも甘さが控えめで飲みやすく、玄米特有の香ばしい風味とプチプチとした食感がたまりません。

 

もち麦と米麹で! 水溶性食物繊維たっぷり「もち麦甘酒」

もち麦と米麹で! 水溶性食物繊維たっぷり「もち麦甘酒」

「もち麦甘酒」のレシピ

水溶性の食物繊維β-グルカンを豊富に含むもち麦で作る甘酒もおすすめです。
上記のレシピをベースにもち麦入りご飯でも作れますが、もち麦と米麹だけで甘酒を作れば、さらに食物繊維をたっぷり摂ることができます。

材料

【材料(作りやすい分量)】

もち麦…100g

乾燥米麹…150g

作り方

1

もち麦をさっと洗い、30分以上吸水させる。

2

鍋にたっぷりの湯を沸かし、1を15分茹でる。ザルにあげ、さっと水洗いする。

3

炊飯器に2と300mlの水(分量外)を入れ、釜の上に濡れ布巾を乗せ、蓋を開けた状態で保温ボタンを押し、8時間保温してペースト状になったら完成。

POINT

途中、1〜2回かき混ぜ、布巾は乾かないよう、都度濡らしましょう。

 

■甘酒の保存方法

 

いずれの甘酒も、冷蔵庫で1週間ほど保存可能です。冷凍してもカチカチに固まらないため、たっぷり作った時は冷凍保存がオススメです。ジップ付きの保存袋に入れ、しっかりと空気を抜いて冷凍すれば、半年ほど保存可能です。

解凍するときは、常温か冷蔵庫での自然解凍がおすすめです。

 

砂糖代わりに甘酒を! 優しい甘さの「柿と春菊の胡麻和え」

砂糖代わりに甘酒を! 優しい甘さの「柿と春菊の胡麻和え」

「柿と春菊の胡麻和え」のレシピ

今回は、甘酒を使った季節のレシピをご紹介します。砂糖代わりに甘酒を使うことで、こっくりと優しい甘みの胡麻和えが作れます。お好きな食材でアレンジしてみてくださいね。

材料(2人分)

 

柿…1個

春菊…1/2束

甘酒…大さじ3

白ごま…大さじ1

練りごま(白)…大さじ1と1/2

しょうゆ…小さじ2

作り方

1

柿は皮を剥いて16等分のくし形に切る。春菊はさっと塩茹でして流水にさらし、水気を絞り3cm幅に切る。

2

白ごまは小さめの鍋かフライパンで炒り、すり鉢に入れてする。

3

甘酒を加えて米粒を潰すようにすったらボウルに移し、練りごまとしょうゆを加えて混ぜる。

2のボウルに1を入れ、さっと和えたら器に盛る。

 

\きょうの日本酒/

秋の味覚には、秋限定の”ひやおろし”がオススメです。「七田 七割五分磨き 山田穂 ひやおろし(天山酒造/佐賀県)」は、お米本来の旨味がじんわりと感じられ、ごまと甘酒のやわらかな味わいを引き立ててくれます。

 

昔から日本人の健康を支えてきた甘酒。忙しい朝のごはん代わりや、疲れた時の栄養ドリンクとして、様々なシーンでご活用くださいね。