常連さんコラム

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夏生さえりの「ティファニーで朝食を食べられなかった私たち」

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夏生さえり
ライター
出版社勤務を経て、Web業界へ。人の心の動きを描きだすことと、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。好きなものは、雨とやわらかい言葉とあたたかな紅茶。 著書に『今日は、自分を甘やかす いつもの毎日をちょっと愛せるようになる48のコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン )はじめ、本連載に書き下ろしを加えた22篇のエッセイ集『口説き文句は決めている 』(kraken)が好評発売中!
  • 【最終回】食と恋、連載終了のお知らせ。本当にありがとうございました…!

    みなさま、いきなりですが。本連載「ティファニーで朝食を食べられなかった私たち」は、35回をもって終了いたします……!   うーん、ちょっと寂しいですね。じつは、わたしが一番長く続けたのが、本連載でした。初回は、なんと2016年!フリーランスになってすぐに依頼をいただき、月1〜2本、ヒィヒィフゥフゥと言いながら紡ぎ続けました。そし …

  • 【第34回】寝すぎた日のラーメン

    暑すぎた夏がやっと過ぎて、秋の気配が漂いはじめた。   今年の夏はずいぶん暑かった。外に出るのも億劫で、休日はほんのり汗ばんだ身体のままベッドでゴロゴロする日も少なくなかった。   でも横になってだらだらして、時に寝すぎて夕方になっているあの過ごし方も、結構好きだ。   もったいないと思う人もいるのだろうが、 …

  • 【第33回】手料理をつくる嬉しさ

    「彼に、手料理をつくって欲しい!」 昔はそんなことばかり思っていた。いや、今でももちろん憧れる。時に彼がごはんを作ってくれると飛び上がるくらい嬉しいし、毎日だって食べたい。自分のために献立を考え、時間をかけてキッチンに立ってくれたなんてそれだけで最高すぎて、料理の匂いを嗅ぐ前によだれが出そうだ。   けれど、最近はこうも思う。 …

  • 【第32回】お祭りと恋

    1年で一番好きな季節がやってきた。夏だ。   暑くて体はとろけてしまいそうだけれど、夏は恋においても重要な季節。それゆえか、わたしはこの季節のことを嫌いになれない。   7月に入ったばかりだというのに、浴衣の女の人の姿をすでに多く見かけた。もうお祭りや花火大会が行われているのだろうか?   先日見かけた女の子 …

  • 【第31回】傘のなか、広がる珈琲

    誰かの珈琲の匂いは、思い出を蘇らせる。   先日、カフェで雨宿りをしていたときだった。頼んだアールグレイティーを手にして、サツキとあじさいが同時に咲いている雨の世界を見つめていると、あたたかな珈琲の匂いがふわっとわたしの後ろを通り抜けた。   珈琲の匂いは、雨で湿気た店内にとどまって、なかなかわたしの周りを去ろうとしな …

  • 【第30回】別れる勇気

    誰かに愛されるのも、誰かを愛するのも、同じくらい勇気がいることだ……と最近よく思う。   ひとりの人にしっかり向き合うのは、体力がいる。思わぬことで傷つけてしまったり、簡単に傷ついたりもするから。   そもそも、互いがしっかりと向き合えるようになるだけでも、かなり奇跡的なことだ。大体の場合、人は楽な方向へと流されていく …

  • 【第29回】過去への嫉妬

    先日、「【第25回】終わりの儀式は“贈り物”で」が掲載されたあと、「この“元カノ”絡みの喧嘩、めっちゃわかる」という声をものすごくたくさんもらった。   恋人の過去というのは、多くの人が気になるものらしい。そして、それらはよく喧嘩の種になっているらしい。なかには、「元カノと行った場所なんて、絶対行きたくないです」という声もあった …

  • 【第28回】穏やかな告白

    すっかり、春になった。   わたしは寒いのがとても苦手で、冬の間はとにかく堪えしのんでいるような状況なので、春がくると本当に本当に幸せな気持ちになる。桜が開花する頃、つま先のほうにもやっと元気が湧いてきて、心もふんわり軽くなる。   この、春の嬉しさ、万能感。やっぱり春っていいな。   最近はストレスフリーな …

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