以前、「目に愛を込めて」というコラムを書いた。バレンシアに滞在していたころ、わたしを好きになってくれたスペイン人の話だ。彼の目は、言葉以上に気持ちを伝えてきた。わたしがたじろいでしまうほどに。 最近になって、やっぱり「視線」は好意を表す、と改めて思う。 *** 昔「きみ …
毎日の生活がちょっと“ディープに
”楽しくなるコラム
常連さんコラム2018.03.01
以前、「目に愛を込めて」というコラムを書いた。バレンシアに滞在していたころ、わたしを好きになってくれたスペイン人の話だ。彼の目は、言葉以上に気持ちを伝えてきた。わたしがたじろいでしまうほどに。 最近になって、やっぱり「視線」は好意を表す、と改めて思う。 *** 昔「きみ …
常連さんコラム2018.02.01
バレンタインが迫ってきた。 漫画やアニメでは、チョコレイトを手にして「好きです!」と告白するようなシーンが未だ描かれているが、本当にそんな出来事って今でも起こっているのだろうか? 少なくとも、わたしは「前日に一生懸命作ったチョコレイトを手に思い切って告白!」をしたことはない。バレンタイン直前には何かしらの告白し …
常連さんコラム2017.12.25
恋人と時間を過ごしていると、「怒り続けるほどではないのだけれど、簡単に許すわけにはいかない」という出来事がたまに起こる。あれは本当に、扱いに困る。 何かの作業や小説のようにきちんと「終わり」が用意されていればいいのだけれど、人間関係のいざこざにおいては自分が「終わり」と決めなければ終わりは来ないわけで、でもきれいさっぱり「は …
常連さんコラム2017.11.16
「今の彼氏とは、大人数で集まる飲み会で出会ったんですけど……!」 先日、そんな話を聞いていた。大学の卒業生たちが集まる大規模飲み会で、たまたま隣になった人と盛り上がって一気に距離が縮まり、付き合うことになったのだという。 私自身は知らない人が大勢集まる飲み会はあまり得意なほうではない。 人見知りし …
常連さんコラム2017.10.13
なんでもない日にもらうプレゼントが好きだ。 ネックレスやカバンのような高価なものではなく、日々がちょっとだけ嬉しくなってしまうような、ささやかなものがいい。 簡単なことでいいのだ。 たとえば、恋人が好きと言っていたヨーグルトを見つけたら買って帰るとか、好きと言っていた絵柄のポストカードを見つけたら …
常連さんコラム2017.09.22
先日、紀伊國屋書店の新宿店さんで『口説き文句は決めている』の発売記念トークイベントをしていたとき「さえりさんの忘れられない食と恋の思い出はなんですか?」と質問があった。 (え、またわたしにその質問!) ここまで22回にわたって食と恋の連載をしてきて、さらに書籍でも書き下ろしとして自分の実話を書いてきて、さらにそ …
常連さんコラム2017.08.23
夏の東京は、幾度も突然の豪雨に見舞われた。 「花火大会は中止となりました」。 満員電車の中でアナウンスが流れ、浴衣を着た女の子が肩を落としたのが見えた。彼女がうなだれるのも無理はない。彼女はきっとこの日のために浴衣を新調し、着付けをしてもらい、ヘアセットまで頼んで、今ここにいるのだから。彼女はカゴバックからスマ …
常連さんコラム2017.07.19
夏の夜道が好きだ。 昼の厳しい日差しが落ち着いたあとの、生ぬるいお風呂みたいなあの空気。 夏の夜道には炭酸が似合う、とよく思う。 夜道を、お酒を片手に散歩をする、というのはわたしの定番の妄想だけれど、お酒じゃなくてもいい。夜道を、サイダーをしゅわしゅわと口に広げながら歩くとき、なんだか自由になった …