鯛のイラスト 鯛(たい)

季節の行事やお祝いに! 鯛や小豆など縁起のいい食べ物まとめ

鯛と小豆と海老

日本には「縁起が良い」と愛される食べ物がたくさんあります。

お正月をはじめとする季節行事や、身近な人の幸せを祝う会など、おめでたい席では縁起の良い料理をいただくことも楽しみの1つです。

そこで今回は、縁起の良いとされる定番の5つの食材を、その由来や意味とともにご紹介します!

 

縁起の良い食べ物5選!

 

1.鯛

皿にのった鯛

「めで“たい”」の語呂合わせでお馴染みの鯛。

美しいフォルム傷みにくい魚であること、そして40年ほど生きるものもいるという長寿さも、縁起が良いとされる大切な理由の1つでしょう。

 

また、体の色が「紅白」なのも日本で広く愛される理由。お造りや焼き物として楽しまれることが多く、祝いの席では特に赤色が鮮やかな「真鯛」を「尾頭付き」でいただくのが好まれます。

「尾頭付き」には、「初めから終わりまですべてよし」あるいは「完全なかたちで」という意味が込められています。

 

日本ではとても古くから愛され続けてきた魚で、なんと縄文人も真鯛を食べていたことがわかっています。

縁起物として定着したのは江戸時代と言われ、食べて楽しむほかにも鯛の体の中にある「鯛の鯛」と呼ばれる骨(鯛のような形をしている)をお守りのように持ち歩く風習がありました。

 

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2.小豆

小豆

お赤飯や、あんこを使ったお祝い菓子など、さまざまな形で食べられてきた小豆。

 

小豆の赤色は「魔除けの色」、そして「邪気を祓い、厄よけの力を持つ」と言われ、お祝いや季節の行事などのあらゆる場面で食べられてきました。お盆におはぎを供えたり、厄除けとしてぜんざいを食べるのもそのためです。小豆を食べることで、日常とは異なる日であることを表す意味もありました。

 

また、小豆には薬効があるという説もあり、『和歌食物本草』には「赤小豆こそ甘酸ゆく平毒ははし 水を下して熱さますなり」「小豆こそ腸満によし乾き止め 水膨にもよし少し食うふべし」といった記述があります。

 

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3.海老

海老

海老が縁起の良い食材として愛されるのも、鮮やかで美しい「赤色」をしていることから。

 

また、海老の名前は「海の老人」を意味し、長寿を表します。長生きできるよう、1年の健康を願っておせち料理としても食べられてきました。

 

鎧をつけた武人の姿にも似ていることから「武運長久(ぶうんちょうきゅう)」(武人としての命運が長く続くこと)の験担ぎとしても愛され、男の子の成長を祝う端午の節句のお祝い食にも用いられます。

「伊勢海老」が正月や祝儀に使われるのは、見事な長いひげに、トゲのあるかたい甲が武将の鎧を連想させるからという説も。

 

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4.はまぐり

はまぐり

はまぐりの貝殻は対になっているものでなければぴったりと合わないことから、「夫婦円満」や「良縁」の縁起物として愛されてきました。

 

焼きはまぐりや煮はまぐりはおせち料理として食べられることが多く、はまぐりのお吸い物は「お食い初め」や「ひな祭り」のお祝い料理としてもお馴染みです。

 

ひな祭り、すなわち上巳の節句のころは、川や海(あるいは山)に出かけてお供えをし、神様とともに食事をして日がな1日遊ぶという行事が各地に見られました。

はまぐりなどの貝をこの時季にいただくのは、磯遊びなどで貝を拾い、一緒にいただいたことの名残だとも言われています。

 

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5.昆布

昆布

「よろ“こんぶ”=喜ぶ」の語呂合わせで、縁起の良い食材として愛されてきた「昆布」。

戦国時代には「打ちあわび」「勝栗」と並べて、「打ち勝ち、喜ぶ」との験を担いで戦前に食べられていたとも言われています。

 

そのほか、昆布は昔「広布(ひろめ)」と呼ばれていたという説も縁起物とされる理由。福や名を「広め」る、めでたい「おひろめ」の場で昆布を使った料理や昆布茶が出されるようになりました。昆布は繁殖力が高いことから子孫繁栄の縁起物としても知られ、結納品としても用いられています。

 

これだけ縁起の良さが詰まっていることから、お正月にはおせち料理として昆布巻が食べられたり、鏡餅と一緒に昆布を飾ったりする風習も。

また、「夜昆布=喜ぶ」の音に通じることから、夜に昆布を買ったり食べたりするといいことがあるとも言われています。

 

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今回は、季節の行事やお祝いに欠かせない縁起の良い食材をご紹介しました。

ぜひみなさんも、普段のちょっとしたお祝いごとからご家庭で縁起の良い食材を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

【教えてくれた人】

広田千悦子さんプロフィール写真

広田千悦子さん

[PROFILE]

日本の行事・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。

中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)をはじめ『七十二候で楽しむ日本の暮らし』(KADOKAWA)、『口福だより』(小学館)、『知っているとうれしいにほんの縁起もの』(徳間書店)など25冊。新刊は『鳩居堂の歳時記』(主婦の友社)。NHK文化センター講師。

 

(文/笹沼杏佳)