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岸本拓也さん×山野ゆりさん|【第2回】パンとファッションは切り離せない存在!? 暮らしを豊かにするパン屋のつくり方

  • 岸本拓也
    1975年、神奈川県生まれ。ジャパンベーカリーマーケティング株式会社代表。大学卒業後に外資系ホテルに入社し、広報PR・ブランディング・レストランカフェ・ホテルベーカリーショップのマーケティングと企画業務を経験して独立。2006年に横浜・大倉山に「TOTSZEN BAKER’S KITCHEN(トツゼンベーカーズキッチン)」を開業。2011年よりベーカリープロデュースをスタートし、食パン専門店「考えた人すごいわ」、「午後の食パン これ半端ないって!」のほか、手がけたパン屋はおよそ100店舗にのぼる。
  • 山野ゆり(パン野ゆり)
    1982年、東京都生まれ。モデルとして雑誌や広告などに出演。最近ではパンコーディネーター・パン野ゆりとしての活動も広げており、パンイベントでのワークショップやトークイベントのほか、テキスタイルブランドとベーカリーのコラボグッズのプロデュースも行う。自身が取材・執筆するパンコラムも人気で、現在はWebマガジン「PARISmag」、「Numero」、雑誌「オズマガジン」などで連載中。

アマノ食堂に訪れる、お客さんの“おいしい話”をお届けする「今週のお客さん」。

今回は『食パン専門店の魅力』をテーマに、ベーカリープロデューサーの岸本拓也さんと、パン好きモデルでパンコーディネーターの山野ゆりさんをゲストにお迎えしました。

前編では食パンが人気の理由、毎日食べても飽きない岸本さんの食パンづくりの秘訣についてお伺いしました。続く後編では、山野さんが提案するファッションとパンの楽しみ方に関するお話で盛り上がりました!

 

◆パンとファッションの関係

今日のお洋服、見事にグリーンでリンクしましたね!

読みが当たった! 普段はもう少しどぎついときもあるんですけど(笑)、今日は山野さんがカラフルな服で来るだろうと思って。この服、出張帰りに買ったんです。

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なんと! 買ったばかりのお洋服だったんですね(笑)。でも本当に岸本さんはお洋服が好きですよね。一緒に飲んでいるときもほとんどお洋服か音楽の話。

山野さんはパン以外の話も合うから楽しいです。

私はもうちょっとパンの話も聞きたいんですけど、いつもパンの話は全体の10分の1くらいなんですよ(笑)。

—お2人は旅好きという共通点も?

好きですね。僕は学生時代に海外を色々と周ったんですけど、そのときの経験が今の店づくりに活きていると思います。山野さんもよく海外に行ってますよね?

そうですね。フランスのパリには半年に1回は行っています。いつか旅行じゃなくて、「暮らすようにパンを食べてみたい」と思っていて。去年はパン留学と称して、1カ月間パリで過ごしたんです。

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暮らしながらパンを味わう「パン留学」

(山野ゆりさん)

パン屋さんでパンを買ったら、その近くにある公園でパンを食べてみたり、お店の近くにあるギャラリーでアートを見て、その帰りにパンを買ってみたり。パンだけじゃなくて“土地ごと楽しむ”というテーマで1カ月間過ごしました。その国々によってパンから派生する暮らしとか楽しみ方があるので、とても楽しい時間でしたよ。

お店の近くの公園で食べるのとかいいですね。そんな山野さんの発信を見て「私も同じスタイルで食べてみたいな」って、そんな理由でパン屋さんを訪れる人も増えてくると思いますよ。

パリで過ごしてみて改めて思ったんですけど、パンを楽しもうとしている人たちって、生活を豊かにしようと思っている人が多いと思うんです。そうなるとファッションとパンも、衣食住で繋がっているような気がして。

そうですね、パンと生活はすごく近いと思います。パンとファッションの関係にはまだまだ可能性がありそうですよね。でも、これが逆にファッションに寄りすぎてもいけない。だから、パンという素材があって、これをどう表現するか。それが今のパン屋さんの課題です。

新しいパン屋さん、どんどん増えてますもんね!

レベルも進化しているから、あとはどう伝えるかですね。普段からパンとファッションをコラボさせている山野さんの発信、いつも面白いなぁと思って見ていますよ。

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ありがとうございます! なんか、パン屋さん側がお客さんにドレスコードを指定するのも面白いかもしれないですね。

それいい! 「考えた人すごいわ」の1周年記念でやろうかな?

ファッションとパンのコラボイベント! アクセサリーでもネイルでも、何かお店のイメージカラーを身につけてきてくれたら何かを差し上げるとか。

パチパチパチ(拍手)。めっちゃいいじゃないですか。この対談で新しい企画が生まれた!

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◆個性豊かなショップ袋へのこだわり

—ファッションという視点だと、岸本さんのお店はショップ袋も素敵なデザインですよね。

ショップ袋はお店のテーマに合わせて1つずつデザインしています。袋を持ったときにファッションに映えることもイメージして。

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かわいいショップ袋って、持っているだけで気分が上がりますもんね。パンを買うだけじゃなくてスタイルを買うということがよくわかります。

だからお客さんが袋を持ったときのことをイメージするんです。話題になる袋があれば、持っているだけで「このパン屋に行ったんだ」という会話になるので。

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これもかわいいですね〜! 遊び心もあって、シャレが効いてますよね(笑)。こんな袋をもらえたら、わくわくして誰かに話したくなっちゃいますよ。

うちのお店の袋を集めているコレクターのお客さんもいるんですよ(笑)。僕が新店舗のオープンに立ち会うとき、違う店の袋を持って来てくれるんです。

その気持ち、すごくわかりますよ。こんなかわいい袋だったら私も捨てられないし、持ち歩きたくなっちゃいますもん。

実はこの袋も全部、社内のデザイナーが作っているんです。デザイナーまで抱えているプロデュース会社ってあまりないんですけど。

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パンだけではなく“パン屋”の職人集団

(岸本拓也さん)

パン屋さんにはパン職人がいて当たり前だけど、僕らのチームには店づくりやデザインのプロも揃っている、パン屋の職人集団だと思っています。パン職人、デザイナー、プロデューサー、それぞれの力が集結して一つのパン屋が完成します。良いクオリティで店を生み出していくには欠かせないチームですね。

お店づくりやショップ袋にまで力を入れられているのは、消費者側の私としてもすごく嬉しかったです。

—山野さんが思う「こんなお店があったらいいな」を教えてください。

お! これは聞いてみたいですね〜。

食パン専門店ですか? うーん、私はソファのあるお店がほしいです。

おー!

食パンって、持ち帰りのお店がほとんどじゃないですか。だからインテリアにもこだわった空間でリラックスして上質な食パンをそのまま味わえる、カフェのようなお店があったらいいなって。

うん、面白いですね。同じパンでも店の雰囲気によって印象が全然違いますからね。これまでたくさんのお店を見てきたけど、もっともっと山野さんのような感度の高い人に響くようなお店を作れたらと思います。こうして会話の中で色んなヒントをくれる貴重な存在ですよ。

だって岸本さん、言ったら実現してくれるじゃないですか(笑)。だから言っちゃいますよね。

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この山野さんのアイデアをどう工事して活かすのか、考えるのは面白いですよ。そういう原石を持っている方なので、最初に会った時から、すごく助けてもらっています。

あははは(笑)。それは私のほうですよ! 好きなものが似ているというのもおこがましいんですけど、同じ目線で話してくださるのですごく勉強になります。お店のプロデュースをされている方って、もっと堅い方のイメージだったんですけど、実際にお会いするとこんなにも柔軟で、いい意味で遊びながらお仕事をされている方なので、お話していて楽しいです。

そう言ってもらえると光栄です。また近々飲みましょう!

そうですね♪

 

***

お2人の会話から新しい企画がどんどん生まれていく様子、とても面白かったです。岸本さん、山野さん、楽しいお話をありがとうございました!
またのご来店をお待ちしています。

(写真/パタヤナン・ワラット<vvpfoto>)

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